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  •  ジャン・ドラノワは「トリスタンとイゾルデ」の伝説を現代によみがえらせた『悲恋』(1943年)の監督である。この映画は大ヒットし、脚本を手がけたジャン・コクトーは、「ドラノワがいなければ私はどうなっていたことか...」と書いて当時35歳の若き才能を称えた。これにより一流監督の仲間入りを果たしたドラノワは、『しのび泣き』(1945年)、『田園交響楽』(194...

    [続きを読む](2020.04.16)
  • フランス精神よりも男女の愛 『危険な曲り角』(1958年)の中に、若者たちがシネマテークでルドルフ・ヴァレンティノの『血と砂』(1922年)を観に行くシーンがある。彼らはポスターを観て、「なぜこんな男がモテたのか」「まるでタンゴダンサーだ」「でもジェームズ・ディーンだって古くなるだろ」「そんなことはない」といった会話を交わし、ヴァレンティノのドラマティックな...

    [続きを読む](2016.07.28)
  •  ウージェーヌ・イヨネスコの『犀』は、1959年11月のドイツ初演後、1960年1月にフランスで上演され、センセーションを巻き起こした。フランス公演で演出と主演を務めたのはジャン=ルイ・バローである。1950年に『禿の女歌手』でデビューし、『授業』『椅子』で注目されていた不条理演劇の旗手イヨネスコは、この『犀』によって名声を確立した。 イヨネスコの言語観は悲...

    [続きを読む](2012.09.15)
  •  『天井桟敷の人々』は第二次世界大戦中にフランスで撮られた。ナチスに占領されていた時代に、製作準備から3年以上かけ、製作費約16億円を投じ、時局に合わない娯楽大作を作り上げたのである。監督はマルセル・カルネ、脚本を手掛けたのは詩人ジャック・プレヴェール。このコンビによる作品はほかにも幾つかあるが、『天井桟敷の人々』はそれらの中でも頂点に位置するものだ。正直な...

    [続きを読む](2011.09.15)
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