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  • ハンス・ロットの交響曲第1番は、完成から100年以上演奏の機会に恵まれず、1989年にようやく初演された。ロットの名前はマーラーの伝記等にも載っているし、ブルックナーやマーラーがその才能を讃えた言葉も記録されている。誰も知らない作曲家だったわけではない。にもかかわらず、その代表作である交響曲第1番が人々の耳に届くまでにはあまりにも長い時間がかかった。

    [続きを読む](2018.10.13)
  • おおよそソウル・シンガーを名乗る人、いや、歌を生業にする人全てにとって、2018年8月に76歳で亡くなったアレサ・フランクリンは尽きせぬインスピレーション源であり、理想だった。葬儀ではジェニファー・ハドソンやアリアナ・グランデといった後輩たちが追悼パフォーマンスを披露したが、彼女がインスパイアしたのは後続だけではない。同じ時代を生きた英国人シンガーのダスティ...

    [続きを読む](2018.09.20)
  • 例えば1960年が『サイコ』、『血を吸うカメラ』、『血ぬられた墓標』の公開年であったように、ホラー映画史には節目と言える年がある。1968年もまさにその節目にあたり、『ローズマリーの赤ちゃん』と『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』が公開された。前者がオカルト映画ブーム、後者がゾンビ映画ブームの隆盛に一役も二役も買ったことは今さら言うまでもない。

    [続きを読む](2018.10.04)
  • ここでは『彼岸過迄』の約三分の一を占める「須永の話」で語られた内容を検討する。田口の娘で、須永市蔵とは従妹の関係にあるヒロイン、千代子の後ろ姿を見ただけで興味を抱いた敬太郎は、須永と千代子を「結び付ける縁の糸を常に想像」するようになり、須永が千代子のことをどのように考えているのか聞き出す。そして須永の隠されていた感情にふれ、従兄妹が心理的な作用を及ぼし合い、

    [続きを読む](2018.09.22)