音楽 POP/ROCK

名盤再考

Reconsidering Masterpiece

無数のアーティストがデビューし、無数の作品がリリースされ、
新しい情報が堆積してゆく中、ともすると過去の名作は埋もれてしまいがち。
CMやドラマで頻繁に使用されれば、その時だけはマスコミも思い出したように取り上げる。
一方、そうでないものには永久にスポットライトが当たらない。
それも世の常人の常なのだろうが、“古典と呼ぶにはあまりに新鮮で魅力的な作品なのに”と
ヤキモキしている人は絶対にいるはず。そんな人の気持ちに応えるべく、
今日性と一見無縁そうだが、今なお私達の心に多くのことを訴えかけるディスクを選定し、
力をこめて紹介する。

  • 今年アルバム・デビューから四半世紀の節目を迎えたコールドプレイは、数えてみると、この間に10枚のアルバムを発表済み。なかなかのハイペースだ。ロックバンドの存在感が音楽界で薄れて行く中で高い人気を維持している理由も、間を開けずにコンスタントに新作を届けていることにあるのかもしれないが、改めて順番に耳を傾けてみると、1枚1枚を次のステップにつなげてきたキャリアの...

    [続きを読む](2025.10.26)
  • オアシスの再結成ツアーやパルプの24年ぶりの新作を受けて〈ブリットポップ〉という言葉を頻繁に耳にする今日この頃だが、果たしてその出自を知る人はどれだけいるのだろう? オックスフォード英語辞典には1970年代に既に単語として使われていたと記され、諸説あるのだが、1990年代に英国で起きたムーヴメント――当時支配的だったアメリカン・カルチャーに対抗する、英国的な...

    [続きを読む](2025.09.27)
  • 毎日暑い。かつてないほど。理由は明白だ。なのに暑さを日々報じるニュース番組はほとんど触れない。参院選でもマイナーな争点にすらならなかった。もういい加減本気で対処しないことには、人類が滅亡するかもしれないのに。言うまでもなくその理由は気候変動であり、いかに深刻な問題であるかも随分前から分かっていた。きっかけは1997年に採択された京都議定書だったと記憶している...

    [続きを読む](2025.08.24)
  • メイヤ、クラウドベリー・ジャム、カーディガンズ。10月に東京で開催されるイベント『SWEDISH POP CARNIVAL』の出演者の顔ぶれに思わず胸がときめいたという人が、恐らく40代後半以上の日本人の中に少なからずいたのではないかと思う。英米ではオルタナティヴなロックやエレクトロニック音楽が主流だった1990年代半ば、どこかレトロで甘酸っぱいギターポップ...

    [続きを読む](2025.07.27)
  • 先日、ミュージカル『ダンス・オブ・ヴァンパイア』が日本で再演されるにあたり、同作で作曲を手掛けたジム・スタインマンのプロフィールをパンフレットに寄稿する機会を得て、彼がプロデュースや曲作りに関わった作品を片っ端から聴いてみることにした。つまり、ボニー・タイラーの『スピード・オヴ・ナイト(Faster Than The Speed of Night)』(198...

    [続きを読む](2025.06.20)

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