2018年5月アーカイブ

  • イアン・デューリー『ニュー・ブーツ・アンド・パンティーズ!!』1977年作品 ロンドンのイーストエンドと言えば、近年はトレンディなエリアとして有名だ。再開発が進んで洒落た店が並び、ファッショナブルな若者たちが行き交っていて、100年ちょっと前にジャック・ザ・リッパーが闊歩した、貧しくて猥雑な下町の面影は消えつつある。そんなヴィクトリア時代のイーストエンドを知...

    [続きを読む](2018.05.19)
  •  ドン・シーゲル監督の『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』(1956年)は、宇宙生命体による地球侵略を描いたSFホラーとしては古典に属する作品である。侵略といってもミサイルや怪光線は出てこない。銃声ひとつ鳴らない。全体のトーンは静かでシンプルだが、そこに不気味さがにじんでいる。私は学生時代にこの映画を知り、モノクロ版とカラー版を数え切れないほど観た。 宇宙生命...

    [続きを読む](2018.05.12)
  •  ハンス・ロスバウトには現代音楽のマイスターというイメージがある。何しろ20世紀の重要作品であるシェーンベルクのオペラ『モーゼとアロン』、ブーレーズの「ル・マルトー・サン・メートル」、クセナキスの「メタスタシス」の世界初演を務めた人なのである。しかし、そのレパートリーは広い。端的に言えば、ラモーからシュトックハウゼンまで手中に収めているのだ。大半はヨーロッパ...

    [続きを読む](2018.05.03)