2018年7月アーカイブ

  • 「風呂の後」に書かれたこと 『彼岸過迄』は明治四十五年一月から四月まで朝日新聞に連載されていた小説で、「個々の短篇を重ねた末に、その個々の短篇が相合して一長篇を構成するように仕組んだら、新聞小説として存外面白く読まれはしないだろうか」という構想のもとに書かれた。その結果、「風呂の後」、「停留所」、「報告」、「雨の降る日」、「須永の話」、「松本の話」の順に六...

    [続きを読む](2018.07.28)
  • ジ・アンダートーンズ『ジ・アンダートーンズ』1979年作品 アイルランド共和国と英国の間で和平条約が結ばれて、北アイルランド紛争に終止符が打たれたベルファスト合意から、2018年でちょうど20年。にもかかわらず、つい7月半ばに、シン・フェイン党の元党首ジェリー・アダムスの自宅に爆破物に投げ込まれる事件が起きたり、英国のEU離脱に際して北アイルランドとアイル...

    [続きを読む](2018.07.20)
  • ヴァイオリンが主役 完璧な技巧、創意溢れる演奏法、強烈なカリスマ性により多くの聴衆を魅了した天才ヴァイオリニスト、ニコロ・パガニーニは、その生涯に6曲から8曲のヴァイオリン協奏曲を作曲したと言われている。公式に出版されたのは第1番、第2番のみ。そもそもパガニーニ自身が己の演奏技法を印刷物として残すことを望まなかったため、作曲者が世を去ると共に、多くの作品も消...

    [続きを読む](2018.07.07)