2020年8月アーカイブ

  • ルー・リード、ジョン・ケイル『ソングス・フォー・ドレラ』1990年作品 コロナ禍で中止・延期を余儀なくされたのは、もちろん音楽イベントだけでない。多数の美術展にも影響が出ている。本当なら2020年9月に始まるはずだった『アンディ・ウォーホル・キョウト』展もそのひとつ。目下延期調整中となっているが、かねてから会期中にぜひ取り上げたいと思っていたアルバムが、本作...

    [続きを読む](2020.08.23)
  • フェードルの場合 ラシーヌの悲劇『フェードル』で、フェードルはある言葉に対して恐れに近い反応を見せる。それは人の名前、愛してはいけないのに愛してしまった義理の息子イポリートの名前である。 フェードルはギリシャ神話に出てくるクレタ島の王ミノスの娘であり、アテナイの王テーゼの妻である。テーゼにはアマゾン(女性だけの部族)の女王アンティオペーとの間に子供がいる。そ...

    [続きを読む](2020.08.12)
  •  若い頃のカルロ・マリア・ジュリーニについて、プロデューサーのウォルター・レッグは、「彼が最も必要としたものはレパートリーだった」と書いている。しかし、ジュリーニは限られたレパートリーでも特に不自由することなく、自分がきちんと理解している作品しか指揮せず、やがて誰もが認める巨匠となった。 人柄は誠実で、権力欲もなかった。ジュリーニが誰かとポストを争って蹴落...

    [続きを読む](2020.08.02)