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  • 貫之の「べらなり」 『土佐日記』は、紀貫之が女性になりすまして書いた日記文学である。ただの日記ではない。仮名で書かれた旅日記である。「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとするなり」という冒頭文があまりにも有名で、それ以外は知らないという人が多いかもしれないが、無論それだけの作品ではない。日記中に収められた歌は58首(引用歌を含む)、登場する人物の歌才に...

    [続きを読む](2023.11.16)
  •  六歌仙とは、紀貫之が『古今和歌集』の「仮名序」で挙げた歌人、僧正遍照、在原業平、文屋康秀、喜撰法師、小野小町、大友黒主のことである。貫之自身はこの六人のことを歌仙とは呼んでいないが、いつの頃からか六歌仙と称され、今日の世にまで伝わっている。 その中の一人、喜撰法師は今もって謎の人物である。素性が分からず、しかも『古今和歌集』に収録された歌が一首しかない。...

    [続きを読む](2020.06.24)
  •  歌を詠むことは昔の貴族のたしなみであったという話を学校の授業で何度か聞かされた記憶はあるが、なぜ重んじられていたのか、説明された記憶はない。教科書に載っている種々の和歌を覚えるのは、テストのための作業、暗記作業以外の何物でもなく、貴族でも何でもない私にはただの苦痛であった。 それが変わったのは、大学で哲学の講義を受けていた時。西洋の哲学者について話を聞かさ...

    [続きを読む](2017.12.23)
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