2013年12月アーカイブ

  •  年に一度、12月になると、お酒を飲み過ぎて二日酔いになる。最近は飲む機会が減ったので、酔いが回るのも早い。そのくせ年末モードで飲みたいという気持ちが強くなっているため限度を超える。これがすでに忘年会の恒例のようになっている。 お酒のことで思い出す人は、森岳史さんである。森さんは寺山修司主宰の「天井桟敷」のギタリスト。映画『田園に死す』(1974年)などでも...

    [続きを読む](2013.12.28)
  • フランス・ギャル『フランス・ギャル』1975年作品 フランス・ギャルは28歳の時に自身の名を冠したアルバム『フランス・ギャル』を発表し、第一線に返り咲いた。プロデューサーは才人ミシェル・ベルジェ。収録された曲のほとんどはベルジェらしい繊細なセンスが光るラヴソングだ。多彩なサウンドやリズムを盛り込みながら、ちぐはぐな印象を全く与えないそのバランス感覚は流石とし...

    [続きを読む](2013.12.27)
  •  現在のモーニング娘。にとって、フォーメーションダンスは単に外面的な武器であるだけでなく、10人のメンバーが息を合わせ、ステージ上で気持ちを一つにするためのジェネレーターとして機能している。これは控えめにいっても有効なアイディアだと思う。各メンバーの表現の個性的な部分やスキルが見えにくい一面はあるが、それらを打ち出していくのはまずパフォーマンスの基盤を整えて...

    [続きを読む](2013.12.21)
  • オーケストラが映し出す昔日のローマ オットリーノ・レスピーギの交響詩「ローマの松」は、師リムスキー=コルサコフ譲りの華やかな管弦楽書法に教会旋法や幻想的な雰囲気をたっぷり盛り込み、独自の作風を鮮明に打ち出した傑作である。作曲年は1924年、初演は同年12月に行われた。当時、レスピーギは45歳。ローマを愛し続けた彼は、その風景の象徴のひとつである松の木を「時代...

    [続きを読む](2013.12.19)
  • テイク・ザット『エヴリシング・チェンジズ』1993年作品 まず最初に断らなくてはならないが、筆者はテイク・ザットの大ファンだ。なので贔屓目になるのは免れない。それにしても、数年ぶりにこうしてセカンド・アルバム『Everything Changes』(1993年)を聴いてみて、その完全無欠ぶりに仰天している。え、これってベストじゃないんだよね?と。そう感じたの...

    [続きを読む](2013.12.16)
  •  2013年の夏以降、モーニング娘。は「ミュージックステーション」への出演を皮切りに、「わがまま 気のまま 愛のジョーク/愛の軍団」で11年半ぶりとなるシングル3作連続1位を達成したり、ソチ冬季五輪の日本代表選手を応援する「ニッポン!コールプロジェクト」のアンバサダーに就任したり、ヴァラエティー番組や朝の情報番組に出演したりと、話題をふりまいている。時折オー...

    [続きを読む](2013.12.14)
  •  ウィレム・メンゲルベルクは19世紀末から20世紀半ばにかけて活躍したオランダの大指揮者であり、トスカニーニ、ワルター、フルトヴェングラーを含むいわゆる「四大巨匠」の一人である。彼は必要とあらば楽譜上の指示を自己流に変更し、お馴染みの作品から瞠目すべきニュアンスを引き出して音楽的効果を上げる達人だった。そのロマン主義的なスタイルと、細部の表現に徹底してこだわ...

    [続きを読む](2013.12.11)
  • 最も多才な映画監督 ハワード・ホークスはハリウッドが生んだ最も多才な映画監督である。代表作と呼ぶべき作品は十指に余るほどある。いわゆる才人監督が手を染めがちなアート志向の実験作を作ることはなく、テーマは明確、ストーリーテリングも明晰、シャープで力強く、思わせぶりなところがない。テンポも抜群に良く、編集に澱みがない。ユーモアを欠かさずリラックスして軽々と撮って...

    [続きを読む](2013.12.06)