2016年3月アーカイブ

  • ジュリアン・コープ『セイント・ジュリアン』1987年作品 昔はみんなマセていたのか、単に時代が違うのか、集団的な気の迷いだったのか? 洋楽アイドルとか洋楽ポップスターという言葉を聞くと、今ならワン・ダイレクションやジャスティン・ビーバーの名前が思い浮かぶのだろうが、1980年代後半の我々洋楽ファンの女子にとって、問答無用のアイドルのひとりがジュリアン・コープ...

    [続きを読む](2016.03.27)
  • クレンペラーの音楽 木管を強調させるやり方は、クレンペラーが意識して行っていたことである。何しろ「木管がきこえるということがもっとも重要なのです」とまで言い切っているのだ。その傾向が昔からあったことは、1928年に録音されたR.シュトラウスの「7つのヴェールの踊り」を聴くとわかる。これは極めて貴重な音源だ。録音年代を忘れるほど音質が良いこともあり、ぞくぞくす...

    [続きを読む](2016.03.21)
  • マーラーの影響 若い頃、オットー・クレンペラーはマーラーの交響曲第2番「復活」をピアノ用に編曲して暗譜で演奏し、作曲者に認められた。そして、そのとき書いてもらった推薦状のおかげで、プラハの歌劇場の指揮者になることができた。1907年のことである。「すぐれた音楽家クレンペラー氏をご推薦申し上げます。氏はまだ若年にもかかわらず、すでに経験豊かであり、指揮者の職に...

    [続きを読む](2016.03.19)
  • クレール・ダスタ「枯葉によせて」(1981年) 「枯葉によせて」の原題は「プレヴェールの歌(La Chanson de Prévert)」。セルジュ・ゲンズブールが1960年頃に作詞作曲したもので、もともとはゲンズブール自身とミシェル・アルノーが歌っていた。当時のゲンズブールはまだフランス・ギャルの「夢見るシャンソン人形」も「アニーとボンボン」も書いておらず...

    [続きを読む](2016.03.12)
  •  『青幻記 遠い日の母は美しく』(1973年)は名カメラマン成島東一郎の監督デビュー作である。舞台は沖永良部島。この中に、病気の母親が子供と海に行き、磯で魚を採るシーンがある。親子水入らずの和やかなひとときだ。 しかし、俄に海の様子が変わり、満潮が始まる。母親は「胸が苦しくて動けません」と言い、助けを呼んできてほしいと子供に頼む。子供を海から離れさせるためで...

    [続きを読む](2016.03.05)