2019年4月アーカイブ

  • 伏せてあるカードを表に 「決してひとりでは見ないでください」のキャッチコピーで知られる『サスペリア』(1977年)は、人工美に徹した映像作品であり、音楽が鳴りまくり、往年のハリウッド・スターが出演しているにもかかわらず、私にとって魅力的なホラーであり続けている。にもかかわらずと書いたのは、過剰な演出、にぎやかな音楽、そして知名度の高い人気俳優は、ホラーではし...

    [続きを読む](2019.04.27)
  • ロレッタ・リン『Van Lear Rose』2004年作品 ジャック・ホワイトって男は、言うまでもなく現代アメリカを代表する偉大なミュージシャンなのだが、筆者が思うに、アメリカの音楽文化の保護管理人兼パトロンみたいな存在でもある。常に古典的な録音技術を尊重して作品を制作している彼は、昨今のアナログ・リバイバルにも大きく貢献し、2017年にとうとうアナログ生産...

    [続きを読む](2019.04.19)
  • 自由に生き、自由に死ぬ ジョルジュ・ビゼーの歌劇『カルメン』は1873年から1874年にかけて作曲され、1875年3月3日、パリのオペラ・コミーク座で初演された。しかし、この初演は失敗に終わった。台本を手がけたリュドヴィック・アレヴィによると、好評だったのは第2幕の「闘牛士の歌」までで、そこからは冷めた雰囲気になっていったという。その後も上演は繰り返されたが...

    [続きを読む](2019.04.10)
  • ジャネット・ジャクソン『ザ・ヴェルヴェット・ロープ』1997年作品 ストリーミングが主流の今、自分が聴いている曲がどんなジャケットをまとうアルバムに収められているのか、みんなたいして意識していないのかもしれない。でも、少なくともこの『ザ・ヴェルヴェット・ロープ』(全米チャート最高1位)がリリースされた1997年当時、ジャケットは作品の予告として、リスニング体...

    [続きを読む](2019.04.03)