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  • 練習魔 天才のなかには練習嫌いが少なからずいるが、ルドルフ・ゼルキンは練習魔で、毎日何時間もピアノに向かっていた。まず非常に遅いテンポでスケール練習を行い、時間をかけて徐々にテンポを速め、最終的に最速で弾くのがお決まりだった。何度も演奏したことがある曲でも、手を抜かずに練習をくり返した。それはもはや練習というより、音楽に奉仕する儀式だったのかもしれない。グレ...

    [続きを読む](2023.02.04)
  • 孤独と不安をこえて シューベルトのピアノ三重奏曲第2番は1827年11月に着手された。完成時期と初演日ははっきりしない。1827年12月26日に初演されたという説もあるが、間違いなく演奏されたのは1828年3月26日の自作演奏会においてである。そのときは好評をもって迎えられたという。 シューベルトは1828年11月19日に31歳で亡くなった。なので、1827...

    [続きを読む](2022.08.05)
  • ポピュラーで、画期的な協奏曲 私が最初に聴いた音楽が何なのかは覚えていないが、クラシック音楽というものを好きになる前から、バッハのメロディーは何種類も知っていた。幼少の頃、テレビ、ラジオ、あるいは街中で聴く機会があったのだろう。パッと思い浮かぶだけでも、「G線上のアリア」、「トッカータとフーガ ニ短調」、無伴奏チェロ組曲第1番の「前奏曲」、小フーガ、イタリ...

    [続きを読む](2020.02.06)
  •  フリッツ・ブッシュのキャリアの全盛期は戦前である。残された音源は当然モノラルで、キズもある。極端に古い音源は、現代のテクノロジーを駆使しても大した改善は望めない。下手に加工しても音が不自然にツルツルしてしまい、興ざめするだけだ。だから結局古いままで聴くほかない。にもかかわらず、演奏があまりに魅力的なために、聴いているうちに音質のハンデを忘れてしまう。193...

    [続きを読む](2011.09.08)
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