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第2楽章の16小節 100作以上あるハイドンの交響曲の中でも一、二を争うくらい有名な第94番は、1791年にロンドンで作曲された。初演は、1792年3月23日に行われている。「驚愕」という副題は初演後すぐに付けられて広まったという。 この副題は、第2楽章の16小節目で突然鳴らされるフォルテッシモの強音に由来している。それまで静かに弦楽器が主題を奏でていたとこ...
[続きを読む](2020.10.10) -
若い頃のカルロ・マリア・ジュリーニについて、プロデューサーのウォルター・レッグは、「彼が最も必要としたものはレパートリーだった」と書いている。しかし、ジュリーニは限られたレパートリーでも特に不自由することなく、自分がきちんと理解している作品しか指揮せず、やがて誰もが認める巨匠となった。 人柄は誠実で、権力欲もなかった。ジュリーニが誰かとポストを争って蹴落...
[続きを読む](2020.08.02) -
燃えるような神秘 アントン・ブルックナーが交響曲第9番の作曲に着手したのは、第8番の第1稿を書き終えたすぐ後(1887年)のことである。本腰を入れて筆を進めたのは1889年からで、1894年11月30日に第3楽章のアダージョまで完成させた。ブルックナーは病気に悩まされながらも、終楽章の構想を練り、最後の力をふりしぼってこれを書き上げるつもりでいたが、その時間...
[続きを読む](2016.06.26) -
道を踏み外した女 『椿姫』のタイトルで親しまれているオペラの原題は「La Traviata」である。意味は「道を踏み外した女、淪落の女」。アレクサンドル・デュマ・フィスの『椿姫』がベースになっているので、「椿姫」と訳されても仕方ないのだが、紛らわしさを生んでいるのも事実である。小説ないし戯曲では主人公の名前がマルグリット・ゴーティエなのに、オペラではすみれを...
[続きを読む](2014.11.24) -
20世紀に活躍したスターたちを見送るのは辛いことである。これはクラシックのジャンルに限った話ではない。21世紀になり、自分たちが生まれる前から当然のように存在し、第一線で活躍していた人たちが、次々と寿命を迎えている。年齢を考えれば仕方ないことなのかもしれないが、そうと分かってはいても寂しい限りである。と同時に、偉大なる20世紀の巨星を見送るのが自分たちの世...
[続きを読む](2011.02.26)