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  •  アラン・ラッドは1940年代から1950年代にかけて活躍した大スターである。出演作の中ではジョージ・スティーヴンス監督の『シェーン』(1953年)が抜きん出て有名だが、ほかにも『拳銃貸します』(1942年)、『青い戦慄』(1946年)、『潜行決死隊』(1946年)、『ネブラスカ魂』(1948年)、『暗黒街の巨頭』(1949年)などで様々な役を好演し、多くの...

    [続きを読む](2021.06.11)
  • ドキュメンタリー的手法 挑戦的なテーマで数々の名作を手掛けたオーストリア出身の名監督フレッド・ジンネマンは、若い頃ロバート・フラハティの助手を務めていたことがあり、その経験を生涯の糧としていた。自伝にも「フラハティのドキュメンタリー・アプローチは、『山河遥かなり』、『男たち』、『真昼の決闘』、『尼僧物語』、『ジュリア』や他の映画を監督していた時に、私の脳裏に...

    [続きを読む](2021.04.14)
  •  テレサ・ライトには純情で明るくて一緒にいると楽しそうなアメリカ女性というイメージがある。肩のラインの高い服がよく似合い、肌の露出は少なめで、濃密な色気で男を降参させる感じではないが、可憐でほのかな色気を匂わせるところがかえって男心をくすぐる。かつて彼女のような女性とデートしたい、結婚したいと夢見ていた男性は多かった。日活出身でオペラ演出家の三谷礼二は、その...

    [続きを読む](2015.10.27)
  •  マリア・シェルというと、『居酒屋』(1956年)と『女の一生』(1958年)が有名で、絵に描いたような愛らしい瞳とやさしげな口元が妙に哀感をそそるため、「薄幸の女」のイメージが強いかもしれない。たしかに彼女はそういう役を多く演じた。しかし、『Die Ratten』(1955年)を観れば分かるように、彼女の表情や声のトーンは役によって驚くほど変わるし、凄まじ...

    [続きを読む](2014.10.15)
  • 最も多才な映画監督 ハワード・ホークスはハリウッドが生んだ最も多才な映画監督である。代表作と呼ぶべき作品は十指に余るほどある。いわゆる才人監督が手を染めがちなアート志向の実験作を作ることはなく、テーマは明確、ストーリーテリングも明晰、シャープで力強く、思わせぶりなところがない。テンポも抜群に良く、編集に澱みがない。ユーモアを欠かさずリラックスして軽々と撮って...

    [続きを読む](2013.12.06)
  • サイレント時代の傑作『第七天国』 フランク・ボーゼイジは役者として成功した後、監督になり、『第七天国』でその実力を世に知らしめた。これで第1回アカデミー監督賞を受賞したボーゼイジは監督としての地位を確立、1930年代の後半までコンスタントにヒット作を発表、映画史に名を残した。洗練された演出スタイルではなく、変化球を駆使するタイプでもない。ボーゼイジは真っ正面...

    [続きを読む](2012.03.29)
  •  フランク・キャプラはアメリカの良心を描き続けた監督といわれる。その楽天的なヒューマニズム、堂々と謳われる正義に、希望や勇気をもらった人は多いことだろう。キャプラの映画では物欲にまみれた金持ちは否定され、貧しい人々の方が心豊かな存在として描かれる。どんな巨悪も小さな正義の前で敗北する。しかし、それが絵空事にしか見えなくなった時、人はキャプラ作品を「卒業」する...

    [続きを読む](2012.02.17)
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