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  • フランス精神よりも男女の愛 『危険な曲り角』(1958年)の中に、若者たちがシネマテークでルドルフ・ヴァレンティノの『血と砂』(1922年)を観に行くシーンがある。彼らはポスターを観て、「なぜこんな男がモテたのか」「まるでタンゴダンサーだ」「でもジェームズ・ディーンだって古くなるだろ」「そんなことはない」といった会話を交わし、ヴァレンティノのドラマティックな...

    [続きを読む](2016.07.28)
  •  先に挙げた『愛人ジュリエット』、『夜ごとの美女』、『夜の騎士道』、『危険な関係』は大きく2つの系統に分けることが出来る。前の2作は過酷な現実からの逃避を描いたもの、後の2作は危険な恋の賭けを描いたものという風に。 『愛人ジュリエット』は、マルセル・カルネ監督作。恋人ジュリエット(シュザンヌ・クルーティエ)のために店の金を盗んで、刑務所に入れられた青年ミシェ...

    [続きを読む](2013.11.06)
  •  ジェラール・フィリップはいつの時代にも通用しそうな美貌に恵まれた二枚目であるだけでなく、舞台でも高い評価を得ていた演劇人であり、抜群の身体表現の能力と知性と品格と神秘性を備えたカリスマであった。そして何より柔軟性に富み、アクション史劇にも、ロマンティックな文芸映画にも、軽い喜劇にも、シリアスな現代ドラマにも嵌る名優であった。だからこそ、亡くなってから半世紀...

    [続きを読む](2013.11.04)
  •  なめらかなカメラワークと洗練されたカットでヌーヴェルヴァーグの監督たちを魅了した才人、マックス・オフュルス。彼もまた先輩エルンスト・ルビッチと同じく、ナチス以前のモダンだった頃のドイツ映画界で修練を積んだ人である。その演出スタイルはルビッチに勝るとも劣らずエレガント。単にうまいだけでなく、鳥肌が立つほどうまい。 彼はワンカットに己の美学を注ぎ込む。それでい...

    [続きを読む](2011.05.15)
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