音楽 CLASSIC

匠の森

不滅の指揮者・演奏家

20世紀は「指揮者」と「演奏家」の時代と言われる。
神がかった才能と魔物のような個性を持った表現者が続々と現れ、聴衆を魅了した世紀。
ここではそのうち何人紹介することが出来るかわからないが、
なるべく濃い密度で、音楽の「匠」たちのプロフィールと遺産を紹介していきたい。
文●阿部十三

  • ギレリスのピアニズムには確かな造形感があり、胸に響く重量感、輝かしいまでの明晰さがある。しかし、グリーグの『抒情小曲集』で聴くことが出来るしっとりとした味わいと甘美さ、プロコフィエフの「束の間の幻影」で聴くことが出来る胸のすくような跳躍感や諧謔的な表現の巧さもギレリスの特性である。若い頃(1930年代から1940年代にかけて)の録音を聴くとテクニックの物凄さ...

    [続きを読む](2014.04.23)
  • エミール・ギレリスは多面的な魅力を持ったピアニストである。かつては「鋼鉄のタッチ」と評され、それが彼のイメージを狭めていた節もあるが、遺された多くの録音に虚心坦懐に耳を傾ければ、強靭で決然たる打鍵や猛烈な疾走感だけでなく、音色の美しさやフレージングの柔らかさもギレリスの持ち味であることが分かるはずだ。若い頃からギレリスの技術は大きな注目の的になっていた。完璧...

    [続きを読む](2014.04.21)