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  • 祝典音楽から交響曲へ 「ハフナー」は活力と躍動感にあふれた傑作である。明るい雰囲気が支配的で、陰翳もあるが暗さや切なさのなかに沈むことは全くない。音楽は輝きながら、迷いなく、勢いよく前進する。もともとは祝典のために書かれたという事情も大いに影響しているのだろう。 作曲の経緯はやや入り組んでいる。モーツァルトはまず1776年にザルツブルクのハフナー家の結婚式の...

    [続きを読む](2019.09.26)
  • 円熟前の傑作 ベートーヴェンの交響曲第2番は、第8番と並び、語られることの少ない作品だ。しかし、ここには第3番「英雄」以降の作品にはない円熟前の魅力があり、青年らしい生気がある。端的に言えば、円熟した人間には書けない傑作である。「私はこの作品の中に、誰一人取り戻すことのできない快活な青春時代を、そして、欠点を除去しようとすればたちまちのうちに逃げ去ってしまう...

    [続きを読む](2016.07.10)
  • 巧緻なるデフォルメ パウル・ヒンデミットの『ウェーバーの主題による交響的変容』は1943年8月に完成し、翌年1月にアルトゥール・ロジンスキ指揮のニューヨーク・フィルにより初演された。アメリカ時代、ヒンデミットは『キューピッドとプシュケ』、『エロディアード』、『シンフォニア・セレーナ』などを作曲しているが、それらの中で『ウェーバーの主題による交響的変容』は最も...

    [続きを読む](2014.05.02)
  • 青春のソング・ブック モーツァルトのオペラでまず有名なのは『フィガロの結婚』『ドン・ジョヴァンニ』『魔笛』。これらはモーツァルトの三大オペラと呼ばれている。が、メロディーメーカーとしての彼のセンスが最も意気盛んに爆発しているのは『後宮からの誘拐』である。このオペラの中に織り込まれた20曲あまりの歌は、どれも表情豊かで美しい旋律によって編まれており、ポピュラー...

    [続きを読む](2011.05.13)
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