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聖歌から生まれた音響の宴 リムスキー=コルサコフの序曲『ロシアの復活祭』は1888年に作曲され、同年11月3日に初演された。この時期は作曲者の創作意欲が高まっていたようで、『2つのロシアの主題による幻想曲』(1887年)、『スペイン奇想曲』(1887年)、『シェヘラザード』(1888年)も書かれている。 リムスキー=コルサコフといえば華麗で色彩感あふれるオー...
[続きを読む](2024.12.28) -
「ひと汗かかせる」大協奏曲 モーツァルトのピアノ協奏曲第15番は1784年3月15日に完成し、同月24日の予約制演奏会で作曲者自身の独奏によって披露された。これまで書いてきたピアノ協奏曲に比べると、オーケストラの編成は大きく、管弦楽の響きが多彩になり、ピアノの難易度も「ひと汗かかせる」(作曲者の言葉)レベルにまで上がっている。この作品は先輩作曲家フランツ・ク...
[続きを読む](2023.05.06) -
現代音楽を得意とする指揮者には、総じて知的でクールなイメージがある。彼らが古典派やロマン派の作品を振ると、大抵の場合、音楽の細かい構造が透けて見えるような演奏になる。もやもやしたものが取り除かれ、分かりにくいと感じていたものが分かりやすくなり、クリアーに全体像が見えてくるのだ。 もっとも、明晰で分かりやすい演奏というだけではじきに飽きが来る。我々が音楽に求...
[続きを読む](2021.04.03) -
問いかける音楽 人が一生をかけて一つでも完成させることができたら満足しそうな作品を、バッハは65年の生涯のうちにいくつも書いた。傑作を書くのに時間は関係ないと言う人もいるかもしれないが、バッハの場合は限度を超えている。4大宗教曲を書いただけでも、音楽史に名を残すのに十分なのに、さらに、多くのカンタータがあり、平均律クラヴィーア曲集やゴルトベルク変奏曲があり、...
[続きを読む](2017.01.07)