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  •  春になると家持の歌を読みたくなり、本棚から『万葉集』を取り出す。私が好きなのは、巻第十九に収められた三首だ。そのうち二首は天平勝宝5年(753年)の2月23日(太陽暦4月5日)に、一首は2月25日(太陽暦4月7日)に作られている。  二十三日に、興に依りて作る歌二首 春の野に 霞たなびき うら悲し この夕影に うぐひす鳴くも(春の野に霞がたなびいていて物悲...

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  •  小野小町の晩年については、幾つかの伝承がある。有名なのは、流浪の身となり、落魄して死んだというものだ。事実かどうか定かでないまま小町の物語として伝わってきた『玉造小町子壮衰書』や、それを基にした逸話を載せた『古今著聞集』『徒然草』などの影響だろう。『平家物語』の巻第九にも、小野小町について「心強き名をやとりたりけん、はてには人の思のつもりとて、風をふせぐた...

    [続きを読む](2017.12.30)
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