タグ「正宗白鳥」が付けられているもの

  •  『新帰朝者の日記』では、西洋化の現状について、「日本の学者は西洋と違つて皆貧乏ですから、生活問題と云ふ事が微妙な力で其の辺の処を調和させて行くのです」と妥協的なことを言う者に対し、帰朝者は「いつの世も殉教者の気概がなけりやア駄目です」と突っぱねる。その際、作者は謙遜してこの言葉を「書生の慨嘆」と表現した。たしかに「殉教者の気概」は大げさな表現だが、その後の...

    [続きを読む](2017.09.02)
  •  苦悶その物が生命である。これは岩野泡鳴が1906年に発表した評論『神秘的半獣主義』の中に出てくる言葉だ。泡鳴に言わせると、苦悶とは解決できるものではなく、これを解決しようとするのは、悲劇を喜劇に堕落させることであり、「無終無決の苦悶を活現してこそ、初めて真の悲劇」となるのだった。 泡鳴はその主義を血肉とする小説を書いた。悲劇といっても、彼のそれはお涙頂戴も...

    [続きを読む](2017.02.25)
1