タグ「J.S.バッハ」が付けられているもの

  • 異国情緒漂う編曲版 アルンシュタットの教会オルガニストだった20歳のJ.S.バッハは、「自分の芸術に関係のある様々なことを学ぶために」4週間の休暇を得て、北ドイツのリューベックへ向かった。そこで老ブクステフーデの作品と演奏に感銘を受けたバッハは、無断で休暇を延長し、最終的に4ヶ月間も滞在していたという。この有名な逸話はバッハのプロフィールに必ず出てくるものだ...

    [続きを読む](2012.04.14)
  • 愛の協奏曲 バッハはヴァイオリン協奏曲を少なくとも6作品は書いていたといわれているが、現在伝えられているのは3作品のみである。独奏ヴァイオリンのための2作と、2つのヴァイオリンのための1作だ。これらは1717年から1723年のケーテン時代に書かれたとみられている。このうち2つのヴァイオリンのための協奏曲の作曲年は、ほかの2作より早く、1718年頃と推定されて...

    [続きを読む](2012.02.08)
  • 天才は最後にキレた メンデルスゾーンが紡ぎ出す旋律は流麗で、親しみやすく、時折情熱的な力強さや憂鬱な表情を見せることはあっても、取り乱した叫び声となることはない。音楽的な冒険をしても、それは「カッコいい」と思える範囲にとどまり、節度は保たれている。だから紳士淑女が顔をしかめることもない。そういうところをあげつらい、「メンデルスゾーンの作品はお上品で中身が薄い...

    [続きを読む](2011.07.29)
  •  ひとつ忘れられない思い出がある。2006年11月、サントリーホールでモーツァルトの交響曲第39番、第40番、第41番を聴いた時のことだ。3作とも有名すぎるほど有名な作品である。それをウィーンフィルが演奏する。こちらはさぞ魅惑的なモーツァルトが聴けるのだろうと期待する。しかし指揮者はアーノンクール。普通の演奏はしないだろう、という不安にも似た予感がふと脳裏を...

    [続きを読む](2011.06.18)
  •  1年以上前のこと、あるコンサートの告知に目が釘付けになった。ニコラウス・アーノンクール指揮、ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスによるJ.S.バッハの『ミサ曲ロ短調』。会場はNHKホール。公演は2010年10月に行われるという。私はチケットの発売日を確認し、発売初日に購入した。 キャッチコピーは「アーノンクール最後の来日公演!」ーーこういう類の宣伝文句は(...

    [続きを読む](2011.06.17)
  • 続・20世紀最大の天才作曲家 天才と呼ばれる人には大きく分けて二種類のタイプがある。外部からの刺激をあまり受けない高踏的な天才と、外部からの刺激を受けやすい天才だ。ベーラ・バルトークは後者のタイプに属する作曲家である。 民族音楽から受けた影響については前回述べたが、そのほかにもバルトークはほとんど無防備といえるほど多くの作曲家に感化されている。少年時代に夢中...

    [続きを読む](2011.02.14)
  1 2