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  • 森の中で歌うただ一羽の鳥 ヴァイオリンというものは、ここまで美しい音が出るのか。アルテュール・グリュミオーの録音を聴くたびに、そう思わされる。その音は艶やかでよく歌う。豊かな響きをもち、潤いがある。表現は端正で、貴族的と言いたくなるほど格調高い。切れ味はあるが、無理に力を入れて弾いているという印象がほとんどない。弟子のオーギュスタン・デュメイが伝えるところに...

    [続きを読む](2022.11.04)
  •  「ディヌ・リパッティには聖者のような風格があった」ーーこれは有名なリパッティ論の冒頭を飾る一文である。執筆者はEMIの大プロデューサーであり、文筆家としても知られたウォルター・レッグ。その文章からは、リパッティの才能と人間性に対する敬愛の情が強い調子で伝わってくる。原稿は1951年に「追悼文」として発表されたが、今でもしばしばライナーノーツに使われており、...

    [続きを読む](2012.05.23)
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