タグ「カルミナ四重奏団」が付けられているもの

  • 古の旋法が描く20世紀のメランコリー モーリス・ラヴェルの弦楽四重奏曲は、1902年から翌年にかけて作曲された。初演が行われたのは1904年3月5日。反響は上々で、多くの人がまだ20代の若きラヴェルの才能を称えた。何しろあの辛辣なドビュッシーが「音楽の神と私の名において、君の四重奏曲の一音符たりとも変更してはなりません」と忠告したというから驚くほかない。しか...

    [続きを読む](2014.08.25)
  • 天才は最後にキレた メンデルスゾーンが紡ぎ出す旋律は流麗で、親しみやすく、時折情熱的な力強さや憂鬱な表情を見せることはあっても、取り乱した叫び声となることはない。音楽的な冒険をしても、それは「カッコいい」と思える範囲にとどまり、節度は保たれている。だから紳士淑女が顔をしかめることもない。そういうところをあげつらい、「メンデルスゾーンの作品はお上品で中身が薄い...

    [続きを読む](2011.07.29)
  • その夜、過去のあやまちは浄化される 20世紀から21世紀の今日に至る音楽の流れをさかのぼっていくと、一人の男の名前に行き着く。その男が1923年に考え出した「十二音技法」は音楽界に一大革命を起こし、それまで常識とされていた作曲法、ひいては音楽のフォルムそのものに、大きな変化をもたらした。そして、この作曲フォーマットの誕生以来、これに匹敵するほどの音楽史的事件...

    [続きを読む](2011.03.01)
1