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  • 溝口作品が置かれた状況 溝口健二監督の作品は半分以上現存していないと言われている。初期の『813』(1923年)や『血と霊』(1923年)はもちろん、サイレント時代に高く評価された『紙人形春の囁き』(1926年)も『狂恋の女師匠』(1927年)も観ることはできない。同時代人による論評とスチル写真から、どんな映画だったのか想像をふくらませるほかないのだ。サイレ...

    [続きを読む](2014.09.20)
  • ベッケルとメルヴィル 長編2作目の『恐るべき子供たち』が公開された後、ジャン=ピエール・メルヴィルは映画界から足を洗う決心をした。1950年のことである。当時、メルヴィルは疲れ切り、力尽きていた。そんな彼を再び映画に向かわせたのは、ジャック・ベッケルだった。「......そんな次第で〈シネアック=テルヌ〉のそばのビストロにいて、まさに出ようという時、店の奥か...

    [続きを読む](2013.09.21)
  • 遺作にして最高傑作と評される『穴』 ジャック・ベッケルは第二次世界大戦中の1942年に監督デビューし、ヌーヴェルヴァーグ真っ只中の1960年に53歳で亡くなった。18年の間に発表したのは13作品。そのほとんどが傑作として評価され、多彩な作風でゴダールやトリュフォーなど若き映像作家たちに刺激を与えた。実際のところ、彼の代表作をひとつに絞ることは不可能に等しい。...

    [続きを読む](2013.07.29)
  • 同情と共感をあてにしない映像作家 2003年製作のドキュメンタリー「『スリ』のモデルたち」で、マリカ・グリーンが興味深い発言をしている。ブレッソン映画に出た女優たちはお互いに攻撃的で、協調性がない、というのだ。「何かあるんだろうと思うわ。嫉妬というと語弊があるけど、おそらくそれぞれの親密な関係を守りたいんでしょうね。〈私とブレッソン〉という秘密の小さな花園を...

    [続きを読む](2012.01.12)
  •  アンソニー・マンという名前は、せいぜい西部劇ファンが『ウィンチェスター銃'73』や『西部の人』の監督として記憶しているくらいではないだろうか。たしかにフィルモグラフィーを見ると西部劇が目立つ。ただ、このジャンルが縄張りというわけではない。フィルム・ノワールの名品『横丁』、グレン・ミラーの伝記映画『グレン・ミラー物語』、戦争映画の傑作『最前線』、スペクタクル...

    [続きを読む](2011.10.25)
  •  なめらかなカメラワークと洗練されたカットでヌーヴェルヴァーグの監督たちを魅了した才人、マックス・オフュルス。彼もまた先輩エルンスト・ルビッチと同じく、ナチス以前のモダンだった頃のドイツ映画界で修練を積んだ人である。その演出スタイルはルビッチに勝るとも劣らずエレガント。単にうまいだけでなく、鳥肌が立つほどうまい。 彼はワンカットに己の美学を注ぎ込む。それでい...

    [続きを読む](2011.05.15)
  •  ジャン・ヴィゴが29年の短い生涯で撮った映画はわずか4作。全部の長さを合わせても160分に満たない。保存状態も良いとはいえず、フィルムにはキズがたくさんある。にもかかわらず、ヴィゴは今なお映画ファンの間で熱い談義の対象であり続けてきた。フランソワ・トリュフォーをはじめ、その作品から創作の啓示を受けた映画人も多い。一体ヴィゴの何がここまで人を夢中にさせるのか...

    [続きを読む](2011.04.16)
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