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  • 1920年生まれの監督 ジャン・ギャバン、フランソワーズ・アルヌール主演の『ヘッドライト』(1956年)は、初老のトラック運転手と若いウェイトレスの悲恋物語で、溢れる詩情と哀感が胸を打つ傑作だ。アルヌールのファンには、ただでさえ魅力的な彼女のことをたまらなく愛おしく見せる作品として記憶されている。涙や溜息でじめじめしそうな題材だが、過剰な表現をせず、変にベタ...

    [続きを読む](2019.07.13)
  •  猫のような雰囲気を持つ女優というと、フランソワーズ・アルヌールやブリジット・バルドー、あるいはもっと後年のナスターシャ・キンスキーあたりが思い浮かぶ。彼女たちに共通しているのは、男を虜にする性的魅力の持ち主であることだろう。この系譜の元祖が誰になるのかは分からないが、1930年代に登場した一人の女優を避けてさかのぼることはできない。彼女の名前はシモーヌ・...

    [続きを読む](2019.05.21)
  •  濃厚な色気をたたえた美女である。セクシーな女優は銀幕の世界にごまんといるが、エレオノラ・ロッシ・ドラゴのセクシーさは群を抜いている。彼女の色気は、艶気と言い換えた方がいいかもしれない。それもあけっぴろげなものではなく、万人に恵まれる慈雨のようなものでもなく、もっと秘事的で、重みがあり、男を官能にのめり込ませる妖しい艶気である。また、上流階級の女性を演じてい...

    [続きを読む](2017.04.30)
  •  ジュリアン・デュヴィヴィエ監督の『アンリエットの巴里祭』(1952年)に忘れられないシーンがある。誕生日の7月14日、洋服店に勤めているアンリエットは、恋人で報道カメラマンのロベールと会えるのを楽しみにしている。しかし、ロベールはデートにやって来て早々、「社長に呼ばれた」と言い、アンリエットを置き去りにする。社長のことは口実で、本当はサーカス団の花形リタに...

    [続きを読む](2015.03.13)
  •  世の中には、目が合っただけで男の心を乱し、「俺に気があるんじゃないのか」と思わせてしまう女がいる。アルヌールは、まさにそういう女優である。しかも、それをスクリーン越しにやってしまうのである。 ツンと澄ました感じがなく、ド迫力ボディのグラマーでもなく、「わたしは金のかかる女です」と言わんばかりのセレブなムードを漂わせてもいない。親しみやすいけれど少し陰があり...

    [続きを読む](2011.03.19)
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