タグ「永井荷風」が付けられているもの

  •  『新帰朝者の日記』では、西洋化の現状について、「日本の学者は西洋と違つて皆貧乏ですから、生活問題と云ふ事が微妙な力で其の辺の処を調和させて行くのです」と妥協的なことを言う者に対し、帰朝者は「いつの世も殉教者の気概がなけりやア駄目です」と突っぱねる。その際、作者は謙遜してこの言葉を「書生の慨嘆」と表現した。たしかに「殉教者の気概」は大げさな表現だが、その後の...

    [続きを読む](2017.09.02)
  •  大正3年から書かれた永井荷風の『日和下駄』には、「一名 東京散策記」という副題が付いている。その副題の通り、これは作者が地図を片手に散歩し、東京の風物を記す内容で、日本語を知る読者をして風景描写の粋を味到せしむるものである。 しかし、無目的な散歩の書ではない。江戸趣味の荷風が手にしている地図は、「石版摺の東京地図」ではなく、「嘉永板の江戸切図」である。彼は...

    [続きを読む](2017.08.26)
  •  話は変わるが、2014年11月にグループを卒業し、芸能活動を休んでいた元リーダーの道重さゆみが「再生」を宣言したのは2016年11月のこと。それから4ヶ月後の今年3月、ラジオ番組に出演して本格的に再始動し、丸の内COTTON CLUBで「SAYUMINGLANDOLL〜再生〜」を開催した。SEでホルストの『惑星』が流れた後、「『コンサート』でも『ミュージカ...

    [続きを読む](2017.07.29)
  •  「続悪魔」は、神経衰弱が悪化しているところから始まる。「癲癇、頓死、發狂などに對する恐怖が、始終胸に蟠つて、其れでも足らずに、いやが上にも我れから心配の種を撒き散らし、愚にもつかない事にばかり驚き戦きつつ生をつづけて居」る佐伯は、反面、「高橋お傳」「佐竹騒動妲妃のお百」といった毒婦物の講釈本を読み、恐怖に敏感な神経を麻痺させるような血なまぐさい幻想を堪能し...

    [続きを読む](2016.06.11)
1