2012年4月アーカイブ

モーニング娘。は動画サイトに公式チャンネルを持っている。そこでは新譜や旧譜のMUSIC VIDEOを視聴することができる。今の時代、そういうアーティストは珍しくないし、まずは曲を聴いてもらわなければ始まらないという考え方も理解できるが、それにしても、動画を見た後、ファン以外でCDを購入しようと思う人はかなり限られてくるはずである。 しかし、そんな時流にあっ...
[続きを読む](2012.04.28)
美と歪み プロコフィエフは若い頃、斬新な作風で賛否両論を巻き起こし、注目を集めていた。ヴァイオリン協奏曲第1番は、そんな彼が青春期の最後に完成させた傑作である。作曲時期は1915年から1917年。初演は1917年11月に予定されていたが、ロシア革命のために流れてしまい、6年後の1923年10月18日、パリで行われた。指揮はセルゲイ・クーセヴィツキー、ソリスト...
[続きを読む](2012.04.26)
ナポリ湾に浮かぶ小島で暮らす少年アルトゥーロは16才。母親はいない。尊敬する父親ウィレムは留守がちで、たまに帰ってきても、またすぐに出て行ってしまう。どこへ行っているのかはわからないが、きっと広い世界で冒険をしているのだろう、とアルトゥーロは考えている。そんなある日、ウィレムが若く美しい新妻ヌンツィアータを連れて小島に戻ってくる。 まもなくウィレムは島を出...
[続きを読む](2012.04.23)
ザ・ストゥージズ『ファン・ハウス』1970年作品 今も現役のパンクのゴッドファーザーであるイギー・ポップが20代前半にやっていたバンドがザ・ストゥージズだ。2003年には再結成し、来日公演でもノスタルジーで終わらぬライヴをかまして新旧のファンの血を沸騰させた。 1968年4月にライヴ・デビューしたザ・ストゥージズは、MC5と共に米国デトロイト・ロックの象徴で...
[続きを読む](2012.04.19)
6年連続売上アップ、かつ、2011年は前年比で25%増し。 今の音楽界にそんな調子のいい商品があるとはちょっと信じ難いのだが、実はアナログ・アルバムの話。ちなみにこれは米国内での数値で、計350万枚が昨年1年間に売れたという。まあ、何かが一方向に傾くと必ず反動があるのが世の常なわけで、デジタル・リスニングが浸透する一方でアナログの良さが改めて評価されて、新...
[続きを読む](2012.04.14)
異国情緒漂う編曲版 アルンシュタットの教会オルガニストだった20歳のJ.S.バッハは、「自分の芸術に関係のある様々なことを学ぶために」4週間の休暇を得て、北ドイツのリューベックへ向かった。そこで老ブクステフーデの作品と演奏に感銘を受けたバッハは、無断で休暇を延長し、最終的に4ヶ月間も滞在していたという。この有名な逸話はバッハのプロフィールに必ず出てくるものだ...
[続きを読む](2012.04.14)
しかし、私がこの映画を観直して一番感銘を受けたのは(初めて観た時はアラン・ラッドの早撃ちだったが)、悪役のジャック・パランスである。彼が演じたのは殺し屋ウィルソン。このウィルソンが、エライシャ・クック・ジュニア扮する短気な開拓農民トーリーを撃つ場面は、鳥肌が立つ。 わざと喧嘩を売るウィルソン。カッとするトーリー。ウィルソンは不敵な笑みを浮かべ、「抜け」とい...
[続きを読む](2012.04.12)
寡作の大監督 ジョージ・スティーヴンス監督は、そのキャリアの長さのわりに作品数が少ない。これは彼が完璧主義で、ひとつの作品に時間と予算をかけすぎていたためといわれている。ただ、そうして生まれた作品のいくつかは、映画史上でも、出演者のキャリアの上でも、大きな節目となった傑作として映画ファンに愛されている。 たとえば1942年の『女性No.1』。これはハリウッド...
[続きを読む](2012.04.11)
理想のお弁当とは何か。人によってカロリーとか、マクロビオティックとか、新鮮さとか、判断基準はいろいろだろうが、おそらく多くの人が重視するのは、値段、味、量、安全性だろう。 ある程度お金を払えば、味と量と安全性のハードルをクリアすることは難しくない。ただ、やはり限度額というものがある。私の場合、旅に出て解放的な気分になっていても、臨時収入があった直後でも、1...
[続きを読む](2012.04.07)
カミラ・ウィックス。名盤聴き比べとか名盤ランキングといった類の記事では滅多に目にしない名前である。ヴァイオリニスト人名事典のようなものを開いてみても彼女の名前が抜けていることは珍しくないし、ニューグローヴ世界音楽大事典にも記載がない。お粗末な話である。彼女が弾いたシベリウスのヴァイオリン協奏曲を一度でも聴けば、こんなことは起こらないだろうに。 カミラ・ウィ...
[続きを読む](2012.04.04)
アフガン・ウィッグス『ジェントルメン』1993年作品 グランジ・ソウルーー? 水と油、とまで言わなくとも、並んでいると奇異に感じられるふたつの言葉が、なんの矛盾もなく同居しているバンド。約10年ぶりに再結成して話題を集めているアフガン・ウィッグスは、そういう異色の存在だ。ご存知、サウンドガーデンやマッドハニーやニルヴァーナらをシアトルから世界に送り出したグラ...
[続きを読む](2012.04.01)