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  •  シモーヌ・シニョレはフランス映画界の第一線で活躍した名女優である。演じた役柄には一定の傾向があり、若い頃は娼婦や不倫の人妻の役が多く、中年になってからは貫禄のあるおばさん役で存在感を発揮した。40歳を過ぎても顔の皺を隠すことなく変に若作りしなかったことや、政治に関する発言を積極的にしていたことから、同性のファンも多かったようである。 初の大役は『宝石館』(...

    [続きを読む](2017.02.04)
  • 女優と詩人 女優の扱いは巧かったようで、フランソワーズ・ロゼーに始まり、ミシェル・モルガン、アナベラ、アルレッティ、マリー・デア、シュザンヌ・クルーティエ、シモーヌ・シニョレ、パスカル・プティ、アニー・ジラルドといった、そうそうたる名女優・人気女優の代表作がカルネによって撮られている。日本で言えば、女優を撮る達人だった吉村公三郎的なポジションに近いかもしれな...

    [続きを読む](2016.07.30)
  • フランス精神よりも男女の愛 『危険な曲り角』(1958年)の中に、若者たちがシネマテークでルドルフ・ヴァレンティノの『血と砂』(1922年)を観に行くシーンがある。彼らはポスターを観て、「なぜこんな男がモテたのか」「まるでタンゴダンサーだ」「でもジェームズ・ディーンだって古くなるだろ」「そんなことはない」といった会話を交わし、ヴァレンティノのドラマティックな...

    [続きを読む](2016.07.28)
  •  ジュリアン・デュヴィヴィエ監督の『アンリエットの巴里祭』(1952年)に忘れられないシーンがある。誕生日の7月14日、洋服店に勤めているアンリエットは、恋人で報道カメラマンのロベールと会えるのを楽しみにしている。しかし、ロベールはデートにやって来て早々、「社長に呼ばれた」と言い、アンリエットを置き去りにする。社長のことは口実で、本当はサーカス団の花形リタに...

    [続きを読む](2015.03.13)
  •  先に挙げた『愛人ジュリエット』、『夜ごとの美女』、『夜の騎士道』、『危険な関係』は大きく2つの系統に分けることが出来る。前の2作は過酷な現実からの逃避を描いたもの、後の2作は危険な恋の賭けを描いたものという風に。 『愛人ジュリエット』は、マルセル・カルネ監督作。恋人ジュリエット(シュザンヌ・クルーティエ)のために店の金を盗んで、刑務所に入れられた青年ミシェ...

    [続きを読む](2013.11.06)
  •  『天井桟敷の人々』は第二次世界大戦中にフランスで撮られた。ナチスに占領されていた時代に、製作準備から3年以上かけ、製作費約16億円を投じ、時局に合わない娯楽大作を作り上げたのである。監督はマルセル・カルネ、脚本を手掛けたのは詩人ジャック・プレヴェール。このコンビによる作品はほかにも幾つかあるが、『天井桟敷の人々』はそれらの中でも頂点に位置するものだ。正直な...

    [続きを読む](2011.09.15)
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