タグ「前田愛」が付けられているもの

  • 空襲 終戦の年、古井は山の手大空襲に遭い、疎開先の岐阜県でも罹災した。その体験は古井作品の重要な主題となり、変奏曲のように様々な作品に様々な形で現れる。 初期の「円陣を組む女たち」では、円陣をモチーフにした7つのエピソードが語られる。「私」がなぜ円陣にこだわるのか、その原体験は最後に明かされる。空襲時、爆弾が降り注ぐ中、母や姉、そして見知らぬ女たちが幼い「私...

    [続きを読む](2024.03.03)
  • 私観 古井由吉の小説は、簡単には掴みきれない。時折、何を読んでいるのか分からなくなることがある。 2008年に発表されたエッセイ「招魂としての読書」によると、古井は読んだ本のことをすぐに忘れるらしい。「読んだ事に感嘆させられるほどに、後で綺麗に忘れる、という気味すらある。三読四読して長大息までしていたのに、机の前から立って十歩と行かぬうちに、はて、何のことだ...

    [続きを読む](2024.02.26)
  •  幼い頃、田舎の実家に行き、薄暗い廊下から2階へと続く狭い階段を見上げたとき、何か不思議なものを見るような感覚に襲われた。それはコンクリートのマンションに住んでいた私にとって、日本家屋の2階というものを意識した初めての体験だった。私は何とも言いようのない違和感を抱き、階段から目を背けた。その違和感は8歳くらいから好奇心に変わったが、それまで2階というのはちょ...

    [続きを読む](2021.01.27)
  •  2012年5月22日、吉田秀和氏が急性心不全のため亡くなった。その5日後の日曜日、私は新しいパソコンを買うために行った家電屋で、このニュースを知った。ネットがちゃんとつながるかどうか店員さんに確認してもらっている時、アクセスした某ポータルサイトのトップページに載っていたのである。「音楽評論家の吉田秀和氏死去」 高校の図書室にあった吉田秀和全集を思い出す。 ...

    [続きを読む](2012.06.02)
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