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  • 空襲 終戦の年、古井は山の手大空襲に遭い、疎開先の岐阜県でも罹災した。その体験は古井作品の重要な主題となり、変奏曲のように様々な作品に様々な形で現れる。 初期の「円陣を組む女たち」では、円陣をモチーフにした7つのエピソードが語られる。「私」がなぜ円陣にこだわるのか、その原体験は最後に明かされる。空襲時、爆弾が降り注ぐ中、母や姉、そして見知らぬ女たちが幼い「私...

    [続きを読む](2024.03.03)
  • 私観 古井由吉の小説は、簡単には掴みきれない。時折、何を読んでいるのか分からなくなることがある。 2008年に発表されたエッセイ「招魂としての読書」によると、古井は読んだ本のことをすぐに忘れるらしい。「読んだ事に感嘆させられるほどに、後で綺麗に忘れる、という気味すらある。三読四読して長大息までしていたのに、机の前から立って十歩と行かぬうちに、はて、何のことだ...

    [続きを読む](2024.02.26)
  •  人は現在を生きているが、同時に過去にも生きている。その過去が、時折、距離感を失い現在の自分に近寄ってくることがある。何か特別なことが起こって、そういう状態になるのではない。ちょっと目に入った物、会話の中に出てきた言葉などに、記憶や感覚が触発され、過去が存在感を増すのである。 現在交わされている会話と、過去の出来事がすぐ隣り合わせになっている梅崎春生の『狂い...

    [続きを読む](2017.10.28)
  •  教員志望の同級生に誘われて、塾講師をしていたことがある。1994年4月から1996年3月までの約2年間の話だ。 中学2年生と中学3年生の国語のクラスを受け持っていた。生徒は各16名。授業時間は90分で、1日2コマ。時給は2600円、辞めた時は2900円だった。当時住んでいたアパートから車で50分という遠い場所にあったが、ちょっとした夕食付きだったこともあり...

    [続きを読む](2013.08.10)
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