タグ「芥川龍之介」が付けられているもの

  •  「時こそが神なのではないかという考えに、ぼくは常に執着していた」とはロシア出身の詩人ヨシフ・ブロツキーの『ヴェネツィア 水の迷宮の夢』に記された言葉である。 時こそが神である。その前提で戯曲『大理石』を読むと、「おれたちにとってただ一人の観客は、時間なんだ」や「自分を時間に似せたいと本当に思っている」といった台詞に深い意味が加わる。劇の最後に、登場人物のト...

    [続きを読む](2018.10.20)
  •  谷崎潤一郎の『少将滋幹の母』は、平安時代の話で、『今昔物語』や『世継物語』などに材をとっている。主な登場人物は、齢七十半ばを過ぎた大納言藤原国経、その甥にあたる左大臣藤原時平、二人に愛された在原業平の孫娘、国経の子滋幹、そして好色で知られた平中だ。谷崎は実話を綴るだけでなく、『春琴抄』の時と同じように実在しない資料(藤原滋幹の日記)を創作し、虚実交えてこの...

    [続きを読む](2017.07.01)
  •  『青幻記 遠い日の母は美しく』(1973年)は名カメラマン成島東一郎の監督デビュー作である。舞台は沖永良部島。この中に、病気の母親が子供と海に行き、磯で魚を採るシーンがある。親子水入らずの和やかなひとときだ。 しかし、俄に海の様子が変わり、満潮が始まる。母親は「胸が苦しくて動けません」と言い、助けを呼んできてほしいと子供に頼む。子供を海から離れさせるためで...

    [続きを読む](2016.03.05)
1