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  •  谷崎潤一郎の『少将滋幹の母』は、平安時代の話で、『今昔物語』や『世継物語』などに材をとっている。主な登場人物は、齢七十半ばを過ぎた大納言藤原国経、その甥にあたる左大臣藤原時平、二人に愛された在原業平の孫娘、国経の子滋幹、そして好色で知られた平中だ。谷崎は実話を綴るだけでなく、『春琴抄』の時と同じように実在しない資料(藤原滋幹の日記)を創作し、虚実交えてこの...

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  •  『青幻記 遠い日の母は美しく』(1973年)は名カメラマン成島東一郎の監督デビュー作である。舞台は沖永良部島。この中に、病気の母親が子供と海に行き、磯で魚を採るシーンがある。親子水入らずの和やかなひとときだ。 しかし、俄に海の様子が変わり、満潮が始まる。母親は「胸が苦しくて動けません」と言い、助けを呼んできてほしいと子供に頼む。子供を海から離れさせるためで...

    [続きを読む](2016.03.05)
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