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  •  濃厚な色気をたたえた美女である。セクシーな女優は銀幕の世界にごまんといるが、エレオノラ・ロッシ・ドラゴのセクシーさは群を抜いている。彼女の色気は、艶気と言い換えた方がいいかもしれない。それもあけっぴろげなものではなく、万人に恵まれる慈雨のようなものでもなく、もっと秘事的で、重みがあり、男を官能にのめり込ませる妖しい艶気である。また、上流階級の女性を演じてい...

    [続きを読む](2017.04.30)
  •  ジュリアン・デュヴィヴィエ監督の『アンリエットの巴里祭』(1952年)に忘れられないシーンがある。誕生日の7月14日、洋服店に勤めているアンリエットは、恋人で報道カメラマンのロベールと会えるのを楽しみにしている。しかし、ロベールはデートにやって来て早々、「社長に呼ばれた」と言い、アンリエットを置き去りにする。社長のことは口実で、本当はサーカス団の花形リタに...

    [続きを読む](2015.03.13)
  •  フランス映画史上、最高の美人女優といえばダニエル・ダリューである。人の外見をいい表す時に「フランス人形みたい」というフレーズをつかうことがあるが、彼女はそのフランス人形以上の美しさ、可愛らしさを併せ持つ銀幕の宝石だ。「美」の前に「個性的な」とか「知的な」と付け加えて「美」を相対化したり種別したりする必要もない。シンプルな意味で「美」なのである。そのために白...

    [続きを読む](2013.10.09)
  •  1934年にジュリアン・デュヴィヴィエ監督の『白き処女地』『地の果てを行く』で注目されてから、1976年に72歳で亡くなるまで、ジャン・ギャバンほどフランスで愛された俳優はいない。彼がカメラの前に立つと、それだけで周囲のキャストは霞んでしまう。例えば『地下室のメロディ』。あの大スター、アラン・ドロンでさえギャバンと並んで立っていると青二才に見える。ドロンよ...

    [続きを読む](2011.05.20)
  •  「フランス映画=アンハッピーエンド」のイメージが日本で定着したのは1930年代のことである。そのアンハッピーなフランス映画の代表的な監督として人気を博していたのがジュリアン・デュヴィヴィエだ。人生に疲れを感じた時、その作品は強いお酒のように胸にしみる。 デュヴィヴィエはジャン・ギャバンを育てた人でもある。このコンビは、日本でいえば黒澤明と三船敏郎のようなも...

    [続きを読む](2011.05.05)
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