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  • 魔法のオーケストレーション モデスト・ペトローヴィチ・ムソルグスキーの組曲『展覧会の絵』は、極めて独創的なピアノ曲であり、ロシアの器楽曲の中で最も有名な旋律を持つ作品の一つである。作曲されたのは1874年。建築家であり画家でもあった亡友ヴィクトル・ハルトマンの遺作展に足を運び、そこに展示されていた絵、デザイン、スケッチなどを見たことが作曲の動機につながった。...

    [続きを読む](2017.11.05)
  • オーケストラが映し出す昔日のローマ オットリーノ・レスピーギの交響詩「ローマの松」は、師リムスキー=コルサコフ譲りの華やかな管弦楽書法に教会旋法や幻想的な雰囲気をたっぷり盛り込み、独自の作風を鮮明に打ち出した傑作である。作曲年は1924年、初演は同年12月に行われた。当時、レスピーギは45歳。ローマを愛し続けた彼は、その風景の象徴のひとつである松の木を「時代...

    [続きを読む](2013.12.19)
  • 大作曲家も惚れたCMソング 口ずさんでいるだけで楽しい気分になる歌がある。その歌があれば、殺風景な道を歩いている間も、ピクニックで野山を闊歩しているような心持ちになってくる。「フニクリ・フニクラ」とは、まさにそんな歌である。 民謡のように親しまれている「フニクリ・フニクラ」だが、元々は1880年にヴェスヴィオ山に登山電車が敷設された時、観光客を呼ぶために作ら...

    [続きを読む](2012.07.21)
  •  高校時代、下校途中に立ち寄った市立図書館の視聴覚室でこの指揮者の名前を知った。その時聴いたレコードはレイフ・ヴォーン・ウィリアムズの「トマス・タリスの主題による幻想曲」。知らない作品だった。たしか晩秋のことで、外では冷たい雨が降っていた。ヘッドフォンをして聴いている間、私は弦楽器の美しい響きにのみ込まれて鳥肌が止まらず、頭の中が痺れ、自分がどこにいるのか、...

    [続きを読む](2011.11.09)
  •  昭和20年5月24日、東京大空襲の夜に出会った男と女。2人は名を告げることなく、数寄屋橋の上で半年後に会うことを約束する。それが長く険しい悲恋の道の始まりとも知らずに......。 やがて戦争が終わり、約束の11月24日を迎えた。橋の上では男が女を待っている。同じ頃、女は佐渡で不本意な結婚を迫られていた。ようやく2人が会えたのは、さらに1年が経ってからのこ...

    [続きを読む](2011.07.01)
  • 音楽で愉しむアラビアン・ナイト 昔々、ペルシアの王様シャハリアールは、妃の浮気がもとで女性不信に陥ってしまいました。王様は妃を殺してしまうと、それ以来、毎日のように城下から娘を連れてこさせました。一晩だけ過ごして、殺すためです。ある日、大臣の娘シェヘラザードが差し出されることになりました。しかし、彼女はほかの娘とは違いました。知性に富んだ彼女は、王様の寝室で...

    [続きを読む](2011.06.12)
  • 牢獄のような人生からの飛翔 今、カリンニコフの名前はどれくらい知られているのだろうか。同じ国のボロディン、ムソルグスキー、リムスキー=コルサコフ、チャイコフスキー、ラフマニノフといった人たちに比べると、圧倒的に知名度は劣るし、作品の数自体も少ない。かといってマイナーな作曲家かというと、そうとも言えない。彼の代表作である交響曲第1番は、1897年の初演時から好...

    [続きを読む](2011.05.21)
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