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  • オペラから演奏会用序曲へ 幻想交響曲を作曲した後、オペラ作曲家としての成功を夢見た30代半ばのエクトル・ベルリオーズは、1838年にオペラ『ベンヴェヌート・チェッリーニ』を完成させた。16世紀のローマに実在した伝説的な彫金師のロマンス、大胆不敵な行状、窮地からの大逆転を描いた話である。しかしこのオペラは初演後まもなく打ち切りとなり、惨憺たる失敗に終わった。 ...

    [続きを読む](2019.10.17)
  • アイデンティティーの結晶 スイス生まれのユダヤ人作曲家、エルネスト・ブロッホはエミール=ジャック・ダルクローズに作曲を学び、一時期はヴァイオリニストのウジェーヌ・イザイにも師事していた。作曲家として知られるようになったのは30歳の時、ロマン・ロランにオペラ『マクベス』を認められてからで、それまではジュネーヴの時計屋で働きながら、余暇を作曲活動や指揮活動にあて...

    [続きを読む](2013.08.07)
  •  夭折した天才は何かにつけ悲劇の主人公のように語られがちである。ウィリアム・カペルも例外ではない。不気味なエピソードも彼の人生に深刻な悲劇性を付与している。それは、彼がユージン・リストと共に占い師に運勢をみてもらったという話。その時、彼はこういわれた。「彗星のような経歴だろうが、真に望むものは手に入らない。そして30歳前に衝撃的な死をとげるだろう」ーーこの占...

    [続きを読む](2012.01.30)
  •  いかにも隙のない絶対的な美人の前では、男は往々にして無力になるものだ。口説きの対象というよりは憧れ、崇拝の対象。映画で観るグレタ・ガルボは、まさにそんなイメージの女だった。マスコミを徹底的に遠ざけ、私生活を明かさなかったことも、彼女の神秘性を高めるのに一役買っていた。 1905年9月18日、スウェーデン生まれ。本名グレタ・ロヴィーサ・グスタフソン。映画に初...

    [続きを読む](2011.04.20)
  •  ギリシャが生んだ巨星、ディミトリ・ミトロプーロスが遺したレコードには凄絶な輝きがある。一度この指揮者の魅力にとりつかれたが最後、もう逃れられない。 生前のミトロプーロスは、人間離れした記憶力でどんな複雑な総譜も完全に暗譜し、作品の核をえぐり、オーケストラがそれまで出したことがないマグマのような音を奔出させ、聴き手を畏怖と緊張と興奮で縛りあげた。指揮棒は晩年...

    [続きを読む](2011.03.10)
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