タグ「ローレンス・オリヴィエ」が付けられているもの

  • 『クレオパトラ』 『去年の夏 突然に』でリズの信頼を得たマンキーウィッツは、その数年後、製作の危機に直面していた超大作『クレオパトラ』の監督をルーベン・マムーリアンから引き継ぎ、自らの手で撮り直すことになる。同じ時代を扱った史劇を『ジュリアス・シーザー』(1953年)で撮っていたマンキーウィッツだが、今回はいかんせん規模が違う。しかもリズの大病や監督の変更な...

    [続きを読む](2018.11.03)
  • ワイラーとヒューマニズム ウィリアム・ワイラーは1930年代から1960年代にかけて多くの傑作を手がけ、アカデミー賞をはじめとする数々の名誉に輝いた監督である。『ローマの休日』(1953年)と『ベン・ハー』(1959年)の監督というだけでも映画史におけるその存在感の大きさは格別だ。 しかし彼の映画にみられるいくつかのパターンは、必ずしも万人受けするものとは言...

    [続きを読む](2015.10.01)
  • 情熱はあくまでも監督業に オーソン・ウェルズの監督作には権力者の破滅や没落を描いたものが目立つ。『市民ケーン』(1941年)や『偉大なるアンバーソン家の人々』(1942年)はもちろんのこと、シェイクスピア原作の『マクベス』(1948年)や『オセロ』(1952年)、日本未公開の『秘められた過去(Mr. Arkadin)』(1955年)、ハリウッド最後の作品とな...

    [続きを読む](2014.07.01)
  •  イギリス演劇史に名を残す名優、ジョン・ギールグッドが録音した『ハムレット』のレコードがある。何種類かあるようだが、私が持っているのは1957年に吹き込まれたもの。当時、ギールグッドは53歳。さすがに若々しさはないが、その音楽的な声(「絹にくるまれた銀のトランペット」と称えられた)を聞いていると、自然と『ハムレット』の世界に誘われる。ほかの俳優には模倣できな...

    [続きを読む](2013.02.02)
  •  美貌と演技力に恵まれた女優は珍しくないが、ヴィヴィアン・リーほどその両方を驚くほど高い水準で備えていた女優は、古今東西見渡してもそうそういない。 ローレンス・オリヴィエは、1935年にヴィヴィアン・リーが出演した舞台『美徳の仮面』を観た時、その「魔法のような容貌」に魅せられつつ、「素晴らしい技巧をほとんど偶然のように見せかけることの出来る天才手品師の誇り」...

    [続きを読む](2013.01.09)
  •  英国演劇界の花形的存在だったラリーが最も意識していた役者は誰か。おそらくそれはジョン・ギールグッドだろう。ギールグッドがラリーのことをどの程度ライバル視していたかは分からないが、少なくともラリーの方には、相手の影響力を敬遠しつつ自身の演技術を追求していた節がある。自伝などを読んでもギールグッドについて書く時の調子には拭いようのないライバル意識が感じられる。...

    [続きを読む](2012.09.12)
  •  「真に偉大な俳優についての話といえば、オリヴィエだね」ーーこれは1949年8月、ラリーの演技に傾倒していた若き名優モンゴメリー・クリフトが『サタデイ・イブニング・ポスト』誌のインタビューで語った言葉である。「真に偉大な俳優」とは、いかにも「ローレンス・オリヴィエ」に似つかわしい。 もっとも、最初から偉大だったわけではない。貧しく、無名だった彼がチャンスを掴...

    [続きを読む](2012.09.10)
  •  何の映画を観ようか迷っている時、選択基準になるのはたいてい女優と監督である。どんな女優が出ているか、どんな監督がメガホンを取っているか、私にとってはそれが判断材料になる。男優で選ぶケースはあまりない。私にとって、そういう男優は10人いるかいないかである。そのうちの一人が、ローレンス・オリヴィエだ。「ローレンス・オリヴィエ」ーーこの名前を見ると、目の動きが止...

    [続きを読む](2012.09.08)
  •  言葉を封じ込めようとする力の世界で、エアロンだけは別格的存在として扱われている。彼は言葉を武器にして、相手をとことん挑発する。誰もこの悪魔を黙らせることはできない。彼の邪悪ぶりが最も明確にあらわれているのは、「それだけ凶悪なことをしてきて、後悔していないのか」とルーシアスに問われた後の答えだろう。「後悔してるよ。もっとやっておけば良かったってな。今でも呪っ...

    [続きを読む](2012.09.01)
  • 「俺はいま不意に不可思議な恐怖に襲われた。冷たい汗がにじみ出し、手足がぶるぶる震えている。俺の心は目に見える以上の何かを感じている」 これはシェイクスピアが書いた最も残虐な悲劇といわれる『タイタス・アンドロニカス』の第二幕第三場、タイタスの息子クインタスが発する台詞である。初めてこの戯曲を読んだ時、私は森の場面のページを繰る直前に、クインタスと同じような心境...

    [続きを読む](2012.08.25)
  •  フランコ・ゼフィレッリ版は、周知の通り大ヒットした人気作である。ロミオ役はレナード・ホワイティング、ジュリエット役はオリヴィア・ハッセー。カステラーニ版に心酔していた私は、黒髪のジュリエットには馴染めないと思い込んでいたが、あのニーノ・ロータの有名なメロディーが流れ始める頃には、無抵抗になり、オリヴィア・ハッセーのジュリエットを受け入れていた。シェントール...

    [続きを読む](2012.05.18)
1