映画 MOVIE

監督神髄

名監督たちの肖像

映画史に名を残す100人の監督論。
今なおファンに愛されている代表作を観ながら
それぞれの作品の特色、映画術をつまびらかにしたい。

  • 『エクソシスト』(1973年)は、単なるホラー映画ではない。かつてウィリアム・フリードキン監督は「信仰の神秘を描いたもの」と語り、原作者のウィリアム・ピーター・ブラッティは「超自然的な謎解きの物語」と語った。多くの人によって考察された傑作には、まだ解き明かすべき何かがある。これから書くことは、この二年間、繰り返し鑑賞して得た自分の考えをまとめたものである。

    [続きを読む](2019.03.25)
  • 時代劇の殺陣に最も大きな革新をもたらしたのは、黒澤明監督の『七人の侍』(1954年)と内田吐夢監督の『血槍富士』(1955年)ではないだろうか。一方は雨の中で集団と集団が泥まみれになりながらぶつかり合い、もう一方は槍の構えもサマになっていない槍持ちが何度も突き損じたり転んだりしながら悪戦苦闘する。いずれも、斬られる心配のない剣豪が華麗な

    [続きを読む](2019.01.12)
  • 『去年の夏 突然に』でリズの信頼を得たマンキーウィッツは、その数年後、製作の危機に直面していた超大作『クレオパトラ』の監督をルーベン・マムーリアンから引き継ぎ、自らの手で撮り直すことになる。同じ時代を扱った史劇を『ジュリアス・シーザー』(1953年)で撮っていたマンキーウィッツだが、今回はいかんせん規模が違う。

    [続きを読む](2018.11.03)
  • 『五本の指』(1952年)は第二次世界大戦を背景にしたスパイ映画。中立国トルコの英国大使館で有能な執事として働くディエロ(ジェームズ・メイスン)には裏の顔があった。連合国側の機密情報を高値でドイツ側に売るスパイである。ディエロは以前仕えていた伯爵の未亡人アンナ(ダニエル・ダリュー)の協力を得て、素性を隠し、

    [続きを読む](2018.11.02)
  • ジョセフ・L・マンキーウィッツは戦後のハリウッドで最も信頼の置けるヒットメーカーの一人だった。知性とユーモアに溢れた才人で、サスペンス、ミュージカル、文芸劇、心理劇、史劇、西部劇と何でも撮り、それらの大半で自ら脚本も手がけた。巨額の製作費を投じた『クレオパトラ』(1963年)が失敗作とみなされてからは評価を落としたが、

    [続きを読む](2018.11.01)