映画 MOVIE

監督神髄

名監督たちの肖像

映画史に名を残す100人の監督論。
今なおファンに愛されている代表作を観ながら
それぞれの作品の特色、映画術をつまびらかにしたい。

  • 『去年の夏 突然に』でリズの信頼を得たマンキーウィッツは、その数年後、製作の危機に直面していた超大作『クレオパトラ』の監督をルーベン・マムーリアンから引き継ぎ、自らの手で撮り直すことになる。同じ時代を扱った史劇を『ジュリアス・シーザー』(1953年)で撮っていたマンキーウィッツだが、今回はいかんせん規模が違う。

    [続きを読む](2018.11.03)
  • 『五本の指』(1952年)は第二次世界大戦を背景にしたスパイ映画。中立国トルコの英国大使館で有能な執事として働くディエロ(ジェームズ・メイスン)には裏の顔があった。連合国側の機密情報を高値でドイツ側に売るスパイである。ディエロは以前仕えていた伯爵の未亡人アンナ(ダニエル・ダリュー)の協力を得て、素性を隠し、

    [続きを読む](2018.11.02)
  • ジョセフ・L・マンキーウィッツは戦後のハリウッドで最も信頼の置けるヒットメーカーの一人だった。知性とユーモアに溢れた才人で、サスペンス、ミュージカル、文芸劇、心理劇、史劇、西部劇と何でも撮り、それらの大半で自ら脚本も手がけた。巨額の製作費を投じた『クレオパトラ』(1963年)が失敗作とみなされてからは評価を落としたが、

    [続きを読む](2018.11.01)