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  •  アルフレッド・コルトーの演奏は、音楽作品の中に広がる詩的世界を開示する。間の取り方やペダリングは独特で、詩人が詩を書くように、ピアノを弾いていると言いたくなるほどロマンティックで豊かな音楽性がそこに湧き出ている。解釈とアーティキュレーションに磨きをかけながらも、いざ指が鍵盤にふれるとなった時、きらめく感性が表出し、理屈をこえたところで五線譜の縄から解放され...

    [続きを読む](2018.01.13)
  • 仮面をつけた音符たち ロベルト・シューマンの『謝肉祭』は1834年9月頃から1835年の間に作曲されたピアノ小品集で、作品番号は9。副題は「4つの音符による愛らしい情景」である。4つの音符とは、恋人エルネスティーネ・フォン・フリッケンの故郷アッシュの綴り「ASCH」を音名表記した「A、Es、C、H」。シューマンはこれらの文字が自分の名前の綴りに含まれているこ...

    [続きを読む](2016.04.08)
  • 天才の自信と閃き ロベルト・シューマンのピアノ協奏曲は、1841年に書かれた「ピアノと管弦楽のための幻想曲」に手を加え、2つの楽章を追加したものである。完成したのは1845年のこと。初演日は1846年1月1日、独奏は妻のクララ・シューマンが務めた。 管弦楽の扱いに関しては、ピアノ曲や歌曲にみられる精度が足りないと言われることが多いシューマンだが、すでに交響曲...

    [続きを読む](2015.05.02)
  • 憧れの人を想いながら ショパンのピアノ協奏曲第2番ヘ短調は1829年に作曲され、1830年3月17日にワルシャワで初演された。実際は第1番ホ短調より早く書かれたのだが、出版されたのが後になったため、「第2番」となっている。 作曲当時ショパンは19歳。彼はある想いを込めて、この作品の第2楽章を書いた。1829年10月3日に友人ティトゥス・ヴォイチェホフスキ宛に...

    [続きを読む](2013.01.04)
  •  「ディヌ・リパッティには聖者のような風格があった」ーーこれは有名なリパッティ論の冒頭を飾る一文である。執筆者はEMIの大プロデューサーであり、文筆家としても知られたウォルター・レッグ。その文章からは、リパッティの才能と人間性に対する敬愛の情が強い調子で伝わってくる。原稿は1951年に「追悼文」として発表されたが、今でもしばしばライナーノーツに使われており、...

    [続きを読む](2012.05.23)
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