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  • ミイラが誕生するまで トーキー初期の怪奇映画といえば、まず『魔人ドラキュラ』(1931年)と『フランケンシュタイン』(1931年)を挙げないわけにはいかない。どちらもユニバーサルで製作されたエポックメイキングな傑作で、公開時に大成功を収め、モンスター映画ブームを巻き起こした。 『魔人ドラキュラ』の原作はブラム・ストーカー、『フランケンシュタイン』はシェリー...

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  •  21世紀の今もドクトル・マブゼは生きている。 先日、文庫化された平野啓一郎の長編『決壊』を読んだが、この前半に〈悪魔〉と称する男がカラオケボックスで中学生の北崎友哉を唆す重要な場面がある。そこで放たれる言葉は、バウム教授に託されたマブゼのメッセージを思い出させる。 〈悪魔〉は、「純化された殺意として、まったく無私の、匿名の観念として殺人を行う」ことを奨励し...

    [続きを読む](2011.07.16)
  •  『ドクトル・マブゼ』で華々しい成功を収めた後、フリッツ・ラングはテア・フォン・ハルボウと結婚した。しかし漁色家のラングは多くの女性と関係を持ち、夫婦仲が冷却化。1930年代に入ると別居し、今度はハルボウがインド人青年と恋愛関係を結ぶ。『ドクトル・マブゼ』の続編は、そんな状況の中で製作された。 『怪人マブゼ博士(マブゼ博士の遺言)』が完成したのは1933年頭...

    [続きを読む](2011.07.15)
  •  オーストリアが生んだ天才監督フリッツ・ラングは、戦前から戦後にかけて誇張抜きに「傑作」と呼ぶに値する作品を多く撮った。普通の監督が1本でも完成させれば歴史に名を残せるような映画を何本も作っているのだ。その代表作を数本に絞ることは不可能に等しい。 ただ、それぞれ好みはあるにせよ、観る者をひれ伏させるようなラングの演出力と魔術的なビジュアル・センスが確かな強度...

    [続きを読む](2011.07.14)
  •  声が聞こえないなんて、と不満を漏らす人もいるだろうが、顔の表情、体の動作、仕草、字幕で全てを表現するサイレント映画は、意外なほど雄弁である。声を媒介としない分、登場人物の心情がそのまま画面から迫り伝わってくる。そして絵画でも見ているかのように想像力が刺激される。1920年代を〈映画の黄金時代〉と呼ぶ人がいるのも、いまだに先鋭的な作品でサイレント的手法が好ん...

    [続きを読む](2011.04.10)
  •  真面目で妻思いだったはずの農夫が、都会からやってきた女に誘惑され、堕落する。彼は愛人にそそのかされ、妻をボートで連れ出して殺そうとするが、土壇場で思いとどまる。一方、純真な妻は、夫が自分を殺そうとしたことにショックを受け、泣きぬれる。やがて夫は激しい後悔の念に苛まれて改心し、妻も夫を許す。愛の涙の中で仲直りする夫婦。そこへ新たな災いがふりかかるーー。  平...

    [続きを読む](2011.03.31)
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