映画 MOVIE

名画鑑賞サロン

忘れ得ぬ人と映画

“人と映画 ”についてのエッセイ。
忘れられない(忘れてほしくない)作品や
スクリーンで永遠の生命を獲得した男優、女優の魅力を
今昔問わず、国問わず、自由な形式で語る。

  • ファンを装って大女優に近付き、従順な付き人になるが、やがて本性を現し、周囲の恩人たちを踏みつけて成り上がる女。この女にはモラルのかけらもなく、良心もない。あるのは飽くなき野心と才能のみ。彼女の名前はイヴ・ハリントン。1951年の映画『イヴの総て』の登場人物である。イヴ(アン・バクスター)はまず大女優マーゴ(ベティ・デイヴィス)の友人であるカレン(セレステ・ホ...

    [続きを読む](2022.09.14)
  • 『広島・長崎における原子爆弾の影響』は、1945年9月から10月にかけて広島・長崎の様子を撮った記録映像である。製作したのは日本映画社。原爆投下の爆心から数百メートル地点、1キロ地点、2キロ地点、5キロ地点…とそれぞれの場所における被害状況をカメラにおさめ、物理学、生物学、植物学などの面から原爆の影響を細かく検証している。この映像はGHQに没収され、お蔵入り...

    [続きを読む](2022.07.17)
  • ジョーン・ベネットといえば男の人生を狂わせる運命の女、ファム・ファタールである。その大きな瞳は清純で優しそうだが、どこか頼りなげだ。それを見た男は、女のために何かしてあげたいと思うだろう。すると、たちまち彼女の眼差しは妖艶さを帯びて男の心を掴み、手玉に取ってしまう。そうなったら男は破滅へ一直線だ。危険なファム・ファタールが登場するのは、『飾窓の女』、『緋色の...

    [続きを読む](2022.04.12)
  • ハリウッドの戦争映画ではドイツ軍が悪者になることが多い。敵国だったので当然と言えば当然なのだが、ドイツ軍が主役で、ドイツ側の視点で撮られた作品は、割合で見るとかなり少ない。有名な『橋』(1959年)も『U・ボート』(1981年)も、ハリウッドではなくドイツ映画である。ただ、例外もある。まずはヘンリー・ハサウェイ監督の『砂漠の鬼将軍』(1951年)。

    [続きを読む](2022.01.15)
  • 超高層ビルでの火災をリアルに描いた『タワーリング・インフェルノ』(1974年)は、1970年代に製作された数多くのパニック映画の中で最もヒットした作品である。ここにはパニック映画に必要なものが全てある。すなわち、大迫力のディザスター・シーン、豪華キャストたちの夢の共演、パニックを乗り越えるための冒険的な要素、そして人間ドラマとしての面白さだ。当初はワーナー・...

    [続きを読む](2021.10.12)