「ブラー」と一致するもの
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マリアンヌ・フェイスフル『ブロークン・イングリッシュ』1979年作品 ザ・ローリング・ストーンズとの交わりの中でアイドルから堕ちてゆき波乱万丈の流転の人生を歩んだ女性アーティストが再生の狼煙を上げた1979年の代表作である。 マリアンヌ・フェイスフルは1946年12月29日ロンドン生まれ。17歳でレコード・デビューするや否やフォーク/ポップスのシンガーとして...
[続きを読む](2012.11.01) -
独奏ピアノを持つシンフォニー ブラームスのピアノ協奏曲第1番は、1859年1月22日にハノーファーで初演された。長い年月をかけて完成させた渾身の力作だったが、結果は成功とはいえなかった。しかし、さらなる失望が25歳の作曲家を襲う。その5日後、1月27日にライプツィヒで行われた演奏会が大失敗に終わったのである。演奏後、拍手した聴衆は数人だけだったという。世間の...
[続きを読む](2012.10.12) -
どんな音楽作品でも、それを演奏する者によって、傑作に聞こえることもあれば、凡作に聞こえることもある。そこまで好きになれなかった作品が、特定の演奏家の手にかかるとえもいわれぬ魅力を帯び、また聴きたくなる、というケースもある。ひとつの作品との幸福な出会いとは、同時に演奏家との幸福な出会いを意味する。世に「傑作」とか「名盤」といわれているものが、必ずしも個人にと...
[続きを読む](2012.10.01) -
先頃閉幕したばかりのロンドン五輪、筆者が一番楽しみにしていたのは何を隠そう、開会式だった。音楽が大きな役割を果たすに相違ないと思って。映画監督のダニー・ボイルがディレクターに就任してからは尚更のこと、ボイル監督と度々コラボしているアンダーワールドが音楽スーパーバイザーを務めるというのだから、期待せずにいられるだろうか? 実際、英国近現代史を紐解くようにして...
[続きを読む](2012.08.18) -
60歳の出世作 ブルックナーがワーグナーを信奉していたことはよく知られている。交響曲を献呈し、バイロイト音楽祭にも足を運んだ。ワーグナー協会の名誉会員にもなった。当然、音楽的にも大きな影響を受けた。ただ、そのおかげで、ある評論家から執拗に攻撃されることになる。それが、アンチ・ワーグナーとして知られたエドゥアルト・ハンスリックだ。ブラームス派だったハンスリック...
[続きを読む](2012.06.11) -
英国の統一地方選の結果でもチェックしようかな。ある日、そんな軽い気持ちで主要紙のひとつ『The Guardian』のウェブサイトを開いてみたら、ずらりと並ぶ選挙絡みのヘッドラインの中に「ゴールディー・ルッキン・チェインのメンバーが市議会議員に」との1行を発見して、目を疑ってしまった。というのもゴールディーといえば、ウェールズ訛りでコミカルなラップを聴かせる...
[続きを読む](2012.05.26) -
頭上を舞う、16羽の白鳥 1914年5月から6月にかけて、シベリウスはアメリカを訪問し、大歓迎を受けた。これに気を良くした彼は再度訪米することを考えたが、同年夏、第一次世界大戦が勃発したため断念せざるを得なくなる。おまけに自分の作品を扱っているドイツの出版社から収入が入ってこなくなり、不如意な生活を強いられるようになる。しかし、当時のシベリウスの日記を見てみ...
[続きを読む](2012.05.09) -
ザ・ライチャス・ブラザーズ「アンチェインド・メロディ」(1965年) 万人に愛され、数多くのシンガー/アーティストによってカヴァーされた楽曲は少なくないが、この「アンチェインド・メロディ」に関して言えば、オリジナル・ヴァージョン以来、ほぼ毎年のように誰かがカヴァーしており、過去にレコーディングされたカヴァー・ヴァージョンの数は優に150を超える。最近では、ス...
[続きを読む](2012.03.17) -
夭折した天才は何かにつけ悲劇の主人公のように語られがちである。ウィリアム・カペルも例外ではない。不気味なエピソードも彼の人生に深刻な悲劇性を付与している。それは、彼がユージン・リストと共に占い師に運勢をみてもらったという話。その時、彼はこういわれた。「彗星のような経歴だろうが、真に望むものは手に入らない。そして30歳前に衝撃的な死をとげるだろう」ーーこの占...
[続きを読む](2012.01.30) -
マニック・ストリート・プリーチャーズ『ホーリー・バイブル』1994年発表 ブリットポップに刺さった棘。 リリース当時、マニック・ストリート・プリーチャーズの3作目『ホーリー・バイブル』は、そういうアルバムなんだと思う。なぜって、オアシスの『デフィニトリー・メイビー』、ブラーの『パークライフ』、スウェードの『ドッグ・マン・スター』、パルプの『ヒズ・アンド・ハー...
[続きを読む](2012.01.02)