タグ「ルドルフ・ゼルキン」が付けられているもの

  • ピアノ独奏から合唱へ ベートーヴェンの「ピアノ、合唱と管弦楽のための幻想曲」、通称「合唱幻想曲」は、1808年12月に数日間で作曲され、1808年12月22日にアン・デア・ウィーン劇場で初演された。ピアノ独奏による導入部は、ベートーヴェンが初演で即興演奏し、その後改訂されたものである。1808年12月22日といえば、交響曲第5番「運命」や第6番「田園」が初演...

    [続きを読む](2021.12.05)
  • 美しい調和の音楽 モーツァルトのピアノ協奏曲第23番は美しい調和の音楽である。耳を傾けていると、世界の調和、感情の調和のなかにいるような心地を覚える。アンドレ・ジイドが日記に書いた「モーツァルトのよろこびは清らかに澄み渡っている。音楽のフレーズは、物静かな想いのようだ。その単純さは純粋さにほかならない」という言葉がそのまま当てはまる作品だ。明るいけど陽気すぎ...

    [続きを読む](2021.05.01)
  • 二十代のたくましい表現力 ベートーヴェンの交響曲とピアノ協奏曲は、第1番と第2番が古典派らしい優美さと明るさを持つ点で共通している。両作品ではこの作曲家の独創性はまだ表面化しておらず、第3番以降の作品よりも影が薄い。作風もアイディアも穏健で、激しい叫びも胸を潰すような重さもない。しかし、これらは旋律とリズムの力のみで勝負していた青春時代のたくましい表現力の結...

    [続きを読む](2021.03.03)
  • ポピュラーで、画期的な協奏曲 私が最初に聴いた音楽が何なのかは覚えていないが、クラシック音楽というものを好きになる前から、バッハのメロディーは何種類も知っていた。幼少の頃、テレビ、ラジオ、あるいは街中で聴く機会があったのだろう。パッと思い浮かぶだけでも、「G線上のアリア」、「トッカータとフーガ ニ短調」、無伴奏チェロ組曲第1番の「前奏曲」、小フーガ、イタリ...

    [続きを読む](2020.02.06)
  • 名は体を表す ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第23番は1804年から1805年にかけて作曲されたとみられている。「熱情(Appassionata)」という題は作曲者の死後、ハンブルクの出版社クランツによって付けられたものだが、まさに熱情をそのまま音楽に置き換えたような作品なので、おそらく今日でも、この作品を初めて聴く人は、オブラートに包まれていない激しい感情...

    [続きを読む](2019.02.04)
  • ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」 100選 その3アルトゥール・シュナーベルアルチェオ・ガリエラ指揮フィルハーモニア管弦楽団1947年録音歴史的名演は音質のハンデを超越すると言いたいところだが、何種類かあるシュナーベルの「皇帝」の音源は、この大家の音色の微妙なニュアンスを捉えきれていない。その中では戦後の録音が最もマシである。ガリエラの指揮は溌剌と...

    [続きを読む](2017.12.17)
  • 「皇帝」と呼ばれる協奏曲 ベートーヴェンが完成させた最後の協奏曲である。作曲年は1809年。いわゆる「傑作の森」の時期に書かれた大作で、「皇帝」の異名にふさわしいスケールと風格を備えているが、これは作曲家自身による命名ではなく、出版人のJ.B.クラマーによるものである。作品はルドルフ大公に献呈された。 1809年といえば、ウィーンがフランス軍に占領されていた...

    [続きを読む](2017.12.05)
  • 独奏ピアノを持つシンフォニー ブラームスのピアノ協奏曲第1番は、1859年1月22日にハノーファーで初演された。長い年月をかけて完成させた渾身の力作だったが、結果は成功とはいえなかった。しかし、さらなる失望が25歳の作曲家を襲う。その5日後、1月27日にライプツィヒで行われた演奏会が大失敗に終わったのである。演奏後、拍手した聴衆は数人だけだったという。世間の...

    [続きを読む](2012.10.12)
  • 湖の月光、波にゆらぐ小舟 ベートーヴェンの3大ピアノ・ソナタといえば「悲愴」「月光」「熱情」。この中で最も広く知られ、人気が高いのは「月光」だろう。元のタイトルは「幻想曲風ソナタ」だが、詩人のルートヴィヒ・レルシュタープがゆるやかでロマンティックなムードをたたえた第1楽章を「スイスのルツェルン湖の月光の波に揺らぐ小舟のよう」と評したことから、この愛称がついた...

    [続きを読む](2011.07.17)
  • ベートーヴェンも愛した「短調のモーツァルト」 明るく、無邪気なモーツァルトしか知らない人は、悲しみ悶え苦しむ「短調のモーツァルト」の存在を知った時、少なからず驚くに違いない。生活の匂いを感じさせない、まるで天使が書いたような長調の作品は、モーツァルトが〈神の子〉であったことを伝えているが、暗い情熱が波打つ短調の作品は、モーツァルトがまぎれもなく苦悩する〈人間...

    [続きを読む](2011.06.29)
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