文化 CULTURE

花と冒険[考察・エッセイ]

崖に咲く花はなぜ美しいのか

「文化」についてのエッセイ。
テーマは文学、思想、民俗、絵画、漫画、アイドル、ゲーム、玩具、世相...。
ハイカルチャーとサブカルチャーの境も関係なく、流行も関係なく、
日常の死角にある「文化」を語る。

  • 柿本人麻呂は万葉集を代表する歌人であり、歌聖と尊ばれ、後世に多大な影響を及ぼした。その生涯については、持統天皇の時代に活躍したということ以外、生没年も含めて確かなことは何も分かっておらず、万葉集に書かれてあることから推察するほかない。ゆえに仮説、新説も後を絶たない。たしかにここまで長歌や短歌が知られているのに、記録資料がないのは少し不自然なので、その分興味が...

    [続きを読む](2014.01.25)
  • いよいよ冬真っ盛り。都心でも霜柱が出来る季節となった。そんな中、革ジャンを着て現れたあなたの知り合いに「暖かそうですね」と無邪気に声をかけたらどうなるのか? 彼(あるいは彼女)は、きっと寂しげに微笑んで空を見上げるだろう。何も言わずに洟をすすりながら……。意外と知らない人が多いので言っておくが、革ジャンは全く防寒性の高い衣服ではない。先日、あるバンドマンとお...

    [続きを読む](2014.01.18)
  • 山本健吉が書いたエッセイの中に「『縁』の思想」と題された短い文章がある。周知の通り、山本は日本の古典、近代文学、俳句の評論に大きな足跡を残した評論家で、古典を読み解き、現代日本人の心に通じる(もしくは、通じて然るべき)考え方、感じ方を浮き彫りにしたその著書には、示唆に富むものが多い。1973年1月8日の東京新聞に掲載された「『縁』の思想」は、山本にしてはかな...

    [続きを読む](2014.01.04)

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