文化 CULTURE

花と冒険[考察・エッセイ]

崖に咲く花はなぜ美しいのか

「文化」についてのエッセイ。
テーマは文学、思想、民俗、絵画、漫画、アイドル、ゲーム、玩具、世相...。
ハイカルチャーとサブカルチャーの境も関係なく、流行も関係なく、
日常の死角にある「文化」を語る。

  • 市地洋子の女優としてのキャリアを一気に辿って行ったわけだが、観るためには決心が必要な作品もあった。彼女が一時〈安芸晶子〉と改名した時期に出演した『狼の紋章』(1973年)だ。原作は平井和正原作の小説で、高校生の狼男を描いている。狼男の高校生・犬神明は志垣太郎、敵役・羽黒獰は松田優作。本作は松田優作の映画デビュー作であり、学ラン姿で日本刀を携えて歩く彼が、冷酷...

    [続きを読む](2011.05.28)
  • 恋は突然やって来る。恋は突然落ちるもの。僕の胸を焦がす美しい人の名前は、市地洋子。我ながら気色悪いテンションの書き出しだが……僕の恋は全く予期せぬ形で始まった。ケーブルテレビを観ていると、懐かしい番組と再会することがよくある。僕の年代の男は、特撮ヒーロー番組をやっていると、恥ずかしながらついつい観てしまうのではないだろうか。ヒーローの活躍を楽しむという面も勿...

    [続きを読む](2011.05.21)
  • 生活は一大疑問なり、尊きは王公より下乞食に至るまで、如何にして金銭を得、如何にして食を需(もと)め、如何にして楽み、如何にして悲み、楽は如何、苦は如何、何に依ってか希望、何に仍てか絶望。是の篇記する處、専らに記者が最暗黒裏生活の実験談にして、慈神に見捨られて貧兒となりし朝、日光の温袍(おんぽう)を避けて暗黒寒飢の窟に入りし夕。彼れ暗黒に入り彼れ貧兒と伍し、其...

    [続きを読む](2011.05.14)
  • 師走の寒空にジャンバーを頭から被り、まるで路に転がる死体のように眠る人々がいる。街全体が寝静まった丑三つ時に給食で余った牛乳を啜り、飲食店の残飯を漁って飢えを凌ぐ人々がいる。祭りで賑わう下町で、目を白く濁らせ襤褸を纏い周囲に悪臭を漂わせながら浮腫んだ足で徘徊する人々がいる。人気の無い金融機関のATMコーナーや古びた雑居ビルの片隅、マンションのエントランス等に...

    [続きを読む](2011.05.07)