文化 CULTURE

花と冒険[考察・エッセイ]

崖に咲く花はなぜ美しいのか

「文化」についてのエッセイ。
テーマは文学、思想、民俗、絵画、漫画、アイドル、ゲーム、玩具、世相...。
ハイカルチャーとサブカルチャーの境も関係なく、流行も関係なく、
日常の死角にある「文化」を語る。

  • 2010年に最も活躍した女性グループとして挙げて誰もが異論がないはずのAKB48。そのメンバーの1人、宮澤佐江のことをみなさんはご存知だろうか。昨年の6月に行われた選抜総選挙では第9位に輝いたメンバーだ。ボーイッシュな佇まいの彼女は女性ファンを多数獲得していて、AKB48のメンバーからも〈イケメンガール〉として大人気。太陽のようにパッ!と周囲を明るくしてしま...

    [続きを読む](2011.02.27)
  • 前回紹介した通り、ハックは逃亡した黒人奴隷と共に旅をする。それは即ち、逃亡の幇助という反社会的行為だ。この物語の舞台は南北戦争前、1830〜40年代頃のアメリカ南部。当時の南部では黒人が奴隷として働かされていた。非常に抵抗のある表現になってしまうがーー黒人奴隷とは単なる労働力。自由も権利も一切与えられず、牛馬などと同様に売り買いされる存在。白人の私有財産であ...

    [続きを読む](2011.02.21)
  • マーク・トウェイン作『ハックルベリー・フィンの冒険』という小説の存在は、おそらく大半の人がご存知だと思う。『トム・ソーヤーの冒険』の続篇として執筆されたこの作品が、本国のアメリカで出版されたのは1885年(イギリス版は1884年)であり、今や世界中の言語で翻訳されている。しかし、この小説を読んだことがあるという人は、意外なほど少ないのかもしれない。

    [続きを読む](2011.02.14)
  • 風博士は慌て者で、ちょっとしたことですぐ狼狽し、そのたびに部屋中に竜巻を巻き起こす。ある日、17歳の可愛い花売り娘との結婚式に行くことを失念してしまった博士は、「POPOPO!」とシルクハットをかぶり直し、慌てふためき、そのまま一陣の風となってしまう。「TATATATATAH!」已(すで)にその瞬間、僕は鋭い叫び声をきいたのみで、偉大なる博士の姿は蹴飛ばされ...

    [続きを読む](2011.02.12)
  • 『動物農場』や『1984』で知られるジョージ・オーウェルが1943年から1947年まで『トリビューン誌』に連載していたコラム「私の好きなように」の中に、「軽信の時代」と題された短い文章がある。そこでオーウェルは、ジョージ・バーナード・ショーが「現代の軽信は中世のそれよりも甚だしい」という警句を放ち、科学と医学への盲信を痛烈に批判したことを受けて、こう問うてい...

    [続きを読む](2011.02.09)

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