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  • ベートーヴェン弾きとして ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集は、モノラルとステレオの2種類ある。前者は1950年から1954年、後者は1959年から1969年にかけて録音された(「ハンマークラヴィーア・ソナタ」は除く)。演奏に関しては、モノラル盤の方が構築的である。ピアニッシモの美しい音色や聴き手に違和感を与えないアゴーギクの妙技も、神経質すぎない程度に磨か...

    [続きを読む](2017.03.13)
  • ワルターと私 ブルーノ・ワルターはクラシック音楽を聴きはじめた人の前に、モーツァルトやベートーヴェンの作品の指揮者として現れる。そして、ライナーノーツやレビューに書かれている「温厚な人柄」「モラリスト」といった人物評により、大指揮者には稀な人格者のイメージを植え付けられる。これはワルター受容の一つのパターンと言えるだろう。しかし、そんな人物像を前提にして音源...

    [続きを読む](2016.12.11)
  • ヴァイオリンの美質 ヨハネス・ブラームスがヴァイオリン協奏曲を作曲していたとき、名ヴァイオリニストのヨーゼフ・ヨアヒムが助言を与えていたことはよく知られている。1879年1月、ブラームス自身の指揮で行われた初演でも、独奏を務めたのはヨアヒムである。このヴァイオリニストはマックス・ブルッフとも親交があり、ブラームスより10年ほど前、ヴァイオリン協奏曲第1番の作...

    [続きを読む](2016.09.24)
  • ピアノとオーケストラから生まれる宇宙 ブラームスのピアノ協奏曲第2番は1878年から1881年夏にかけて作曲され、1881年11月9日にブラームス自身のピアノにより初演された。第1番の初演が公式に行われたのは1859年1月22日なので、ピアノ協奏曲の「新作」が発表されるまでに20年以上の歳月を要したことになる。ちなみに第2番の初演当時ブラームスは48歳、作曲...

    [続きを読む](2016.01.02)
  • 天才作曲家の代表作 マックス・ブルッフは作品の知名度が高いわりにプロフィールがあまり知られていない人である。そのヴァイオリン協奏曲第1番は名曲中の名曲で、初演時から今日まで多くの人に愛されてきた作品だし、「コル・ニドライ」も「スコットランド幻想曲」も有名だ。にもかかわらず、ブルッフに関するまとまった資料は驚くほど少ない。この事実は、音楽以外の情報を抜きにして...

    [続きを読む](2015.06.24)
  • 世界が未だかつて耳にしたことがないようなもの マーラーの交響曲第3番は全6楽章、演奏時間に90分以上を要する大作である。ただ、渋滞感や退屈な部分は皆無で聴きやすく、最終的には聴き手を大きな幸福感で包み込む。あらゆる雑念を吸収し、世界を高みへと押し上げるような第6楽章の美しさが、この作品に存在する全ての要素を肯定させ、悲しみも苦しみも疲れも忘れさせるのだ。これ...

    [続きを読む](2015.02.25)
  • 協奏曲の録音 ギレリスのピアニズムには確かな造形感があり、胸に響く重量感、輝かしいまでの明晰さがある。しかし、グリーグの『抒情小曲集』で聴くことが出来るしっとりとした味わいと甘美さ、プロコフィエフの「束の間の幻影」で聴くことが出来る胸のすくような跳躍感や諧謔的な表現の巧さもギレリスの特性である。 若い頃(1930年代から1940年代にかけて)の録音を聴くとテ...

    [続きを読む](2014.04.23)
  • 歳月の重さと理念の重さ ヨハネス・ブラームスが交響曲第1番を完成させたのは1876年。「2台のピアノのためのソナタ」を交響曲に改作しようとして挫折したのが1855年頃なので、20年越しの念願成就ということになる。むろん、その間ずっと交響曲にかかりきりだったわけではないが、自らが世に出す最初の交響曲のことをブラームスはかなり重く考えていたようである。ベートーヴ...

    [続きを読む](2013.07.01)
  • 独奏ピアノを持つシンフォニー ブラームスのピアノ協奏曲第1番は、1859年1月22日にハノーファーで初演された。長い年月をかけて完成させた渾身の力作だったが、結果は成功とはいえなかった。しかし、さらなる失望が25歳の作曲家を襲う。その5日後、1月27日にライプツィヒで行われた演奏会が大失敗に終わったのである。演奏後、拍手した聴衆は数人だけだったという。世間の...

    [続きを読む](2012.10.12)
  •  クナッパーツブッシュが作り出す音楽は構えが大きい。テンポは概して遅め。しかし緊張感を失うことはない。響きは重厚でがっしりとしているが、時折えもいわれぬ透明感を帯び、聴き手に息を呑ませる。 スタジオ録音の代表盤は、ワーグナーの『ワルキューレ第一幕』『ヴェーゼンドンク歌曲集』、コムツァーク2世の「バーデン娘」などが入った名演集。全てオーケストラはウィーン・フィ...

    [続きを読む](2011.05.10)
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