音楽 CLASSIC
  • ショパンのピアノ協奏曲第1番ホ短調は、1830年3月に第2番へ短調が初演された後、本格的に着手された。番号と作曲順が合わないのは、第1番の方が先に出版されたことによる。なので、ショパン自身は、第1番の方を「新しいコンチェルト」「二番目のコンチェルト」と呼んでいた。当時20歳のショパンは、ワルシャワ音楽院声楽科の生徒コンスタンツィア・グワドコフスカに恋していた...

    [続きを読む](2017.02.10)
  • モーツァルトの全作品で、私がこれまでに一番多く聴いたのは「ジュピター」である。それは「最後の交響曲」に対して特別な気持ちが働くからでも、何か深遠なメッセージを読み取っているからでもない。聴いていると体が軽くなり、すぐに音楽の世界に入り込み、旋律とハーモニーに浸る悦びを味わえるからである。病気のときも、この音楽を聴くと楽になる。端的に言えば、生理的に好きなのだ...

    [続きを読む](2017.01.23)
  • 人が一生をかけて一つでも完成させることができたら満足しそうな作品を、バッハは65年の生涯のうちにいくつも書いた。傑作を書くのに時間は関係ないと言う人もいるかもしれないが、バッハの場合は限度を超えている。4大宗教曲を書いただけでも、音楽史に名を残すのに十分なのに、さらに、多くのカンタータがあり、平均律クラヴィーア曲集やゴルトベルク変奏曲があり、無伴奏ヴァイオリ...

    [続きを読む](2017.01.07)
  • ブルーノ・ワルターはクラシック音楽を聴きはじめた人の前に、モーツァルトやベートーヴェンの作品の指揮者として現れる。そして、ライナーノーツやレビューに書かれている「温厚な人柄」「モラリスト」といった人物評により、大指揮者には稀な人格者のイメージを植え付けられる。これはワルター受容の一つのパターンと言えるだろう。しかし、そんな人物像を前提にして音源をあれこれ聴い...

    [続きを読む](2016.12.11)
  • 作曲家は交響曲第9番を書いた後、生き延びることができないという迷信を恐れるあまり、マーラーはもともと「第9番」として作曲していた『大地の歌』に番号を与えなかった。そして本来ならば10番目にあたる次の交響曲を「第9番」とすることで、生命の危険を回避することができると考えた。いわゆる「第九のジンクス」である。この逸話に私はずっと疑問を抱いていた。そこまで迷信を信...

    [続きを読む](2016.11.27)