音楽 CLASSIC
  • ギレリスのピアニズムには確かな造形感があり、胸に響く重量感、輝かしいまでの明晰さがある。しかし、グリーグの『抒情小曲集』で聴くことが出来るしっとりとした味わいと甘美さ、プロコフィエフの「束の間の幻影」で聴くことが出来る胸のすくような跳躍感や諧謔的な表現の巧さもギレリスの特性である。若い頃(1930年代から1940年代にかけて)の録音を聴くとテクニックの物凄さ...

    [続きを読む](2014.04.23)
  • エミール・ギレリスは多面的な魅力を持ったピアニストである。かつては「鋼鉄のタッチ」と評され、それが彼のイメージを狭めていた節もあるが、遺された多くの録音に虚心坦懐に耳を傾ければ、強靭で決然たる打鍵や猛烈な疾走感だけでなく、音色の美しさやフレージングの柔らかさもギレリスの持ち味であることが分かるはずだ。若い頃からギレリスの技術は大きな注目の的になっていた。完璧...

    [続きを読む](2014.04.21)
  • アルバン・ベルクの歌劇『ヴォツェック』は1914年に着手され、幾度かの中断を経て1922年に完成した。台本のベースとなっているのは、23歳で夭折した天才劇作家ゲオルク・ビューヒナーの『ヴォイツェック』。この舞台を観たベルクが、オペラ化するために自ら筆をとったのである。ビューヒナーの劇は、実際にあった出来事から着想を得ている。1821年6月21日、精神状態に異...

    [続きを読む](2014.04.11)