音楽 CLASSIC
  • メンデルスゾーンが紡ぎ出す旋律は流麗で、親しみやすく、時折情熱的な力強さや憂鬱な表情を見せることはあっても、取り乱した叫び声となることはない。音楽的な冒険をしても、それは「カッコいい」と思える範囲にとどまり、節度は保たれている。だから紳士淑女が顔をしかめることもない。そういうところをあげつらい、「メンデルスゾーンの作品はお上品で中身が薄い」と揶揄する人もいる...

    [続きを読む](2011.07.29)
  • アンドレ・クリュイタンスはフランス音楽のスペシャリストとして知られている。その指揮棒から生み出される音楽は、エレガント、粋、エスプリ、洗練、色彩感、香り高い、といった言葉を並べて説明されることが多い。しかし、それらの言葉はどこまで本質をついているのだろうか。使いようによってはどうにでも使える言葉を、日本人が抱いている「フランス」のイメージに絡めて使っているに...

    [続きを読む](2011.07.21)
  • ベートーヴェンの3大ピアノ・ソナタといえば「悲愴」「月光」「熱情」。この中で最も広く知られ、人気が高いのは「月光」だろう。元のタイトルは「幻想曲風ソナタ」だが、詩人のルートヴィヒ・レルシュタープがゆるやかでロマンティックなムードをたたえた第1楽章を「スイスのルツェルン湖の月光の波に揺らぐ小舟のよう」と評したことから、この愛称がついたとされている。

    [続きを読む](2011.07.17)
  • フランシス・プーランクのオルガン協奏曲は、正式には「オルガン、弦楽、ティンパニのための協奏曲」という。つまり、管楽器が使われていない。それらの音色はオルガンが一手に担っている。その多彩な音にティンパニの打音と弦楽器の重厚な響きが重なり合う。そこから生まれるアンサンブルは驚くほど陰翳が深い。管楽器がなくて物足りない、という印象が与えられることはまずない。予備知...

    [続きを読む](2011.07.10)
  • マリア・チェボターリはリヒャルト・シュトラウスのお気に入りだった。ヘルベルト・フォン・カラヤンによると、シュトラウスが理想としていた〈サロメ〉はチェボターリだったという。1970年代半ば、カラヤンもまたサロメ役に亡きチェボターリの声を求めていた。そうして見つけた歌手がヒルデガルト・ベーレンスである。カラヤンはリチャード・オズボーンとの対話で、「(ベーレンスは...

    [続きを読む](2011.07.02)