映画 MOVIE
  • 『刑事コロンボ』の初期のエピソード「ホリスター将軍のコレクション」(1971年)に、スザンヌ・プレシェットが出演している。彼女が演じているのは、心理療法を受けている女性ヘレンの役だ。ヘレンは殺人事件を目撃していながら、犯人であるホリスター元将軍から「見間違いだ」と言われると、自分の目で見たことが事実なのかどうか自信がなくなり、さらに、彼に甘い言葉をかけられる...

    [続きを読む](2019.11.11)
  • 『地上より永遠に』(1953年)に印象的な場面がある。ホノルルの兵営に配属されたプルーイット二等兵が、かつてボクシングで親友に大きな怪我を負わせたことをクラブのホステスに話すシーンだ。その語り方は、内に抱える苦しみをにじませていて、いわゆるお芝居らしいテンポがない。このように内向的で生々しい演技は当時のハリウッドではまだ珍しく、多くの名優が出演しているこの名...

    [続きを読む](2019.10.07)
  • 「ハイエナ」の異名を持つリチャード・ウィドマークは、悪役出身の大スターだ。冷酷非情な殺し屋役からスタートし、様々なタイプの悪党を生き生きと演じ、やがて屈折したヒーローを演じるようになり、しまいには大統領役を務めるまでになったそのキャリアは特筆に値する。魅力的な悪役は時に主役を食うものだが、ウィドマークはデビュー作『死の接吻』(1947年)のトミー役で、すでに...

    [続きを読む](2019.08.26)
  • ジャン・ギャバン、フランソワーズ・アルヌール主演の『ヘッドライト』(1956年)は、初老のトラック運転手と若いウェイトレスの悲恋物語で、溢れる詩情と哀感が胸を打つ傑作だ。アルヌールのファンには、ただでさえ魅力的な彼女のことをたまらなく愛おしく見せる作品として記憶されている。涙や溜息でじめじめしそうな題材だが、過剰な表現をせず、変にベタつかせず、テンポよく見せ...

    [続きを読む](2019.07.13)
  • 猫のような雰囲気を持つ女優というと、フランソワーズ・アルヌールやブリジット・バルドー、あるいはもっと後年のナスターシャ・キンスキーあたりが思い浮かぶ。彼女たちに共通しているのは、男を虜にする性的魅力の持ち主であることだろう。この系譜の元祖が誰になるのかは分からないが、1930年代に登場した一人の女優を避けてさかのぼることはできない。彼女の名前はシモーヌ・シモ...

    [続きを読む](2019.05.21)