映画 MOVIE
  • シドニー・ルメットの代表作というと、大半の人は『十二人の怒れる男』を挙げるだろう。アル・パチーノが好きな人なら『狼たちの午後』や『セルピコ』を選ぶかもしれない。いずれも硬派な社会派作品として知られ、評価も高い。ただ、身も蓋もないことを書くようだが、私自身はこの監督に何の思い入れもない。社会派と言われているわりにはシャープさが足りないし、そこまで社会の深層に踏...

    [続きを読む](2011.04.30)
  • 2003年9月8日、101歳で亡くなったレニ・リーフェンシュタール。その劇的な生涯は、生前から様々な形で取り沙汰されてきたが、これからも決して明かされない秘密のようなものを包含したまま、否定的に、時に誇張され、人々に語り継がれてゆくことだろう。舞踏家だったレニが女優に転身したのは、アーノルト・ファンク監督の山岳映画『聖山』から。そして29歳で『青の光』を初監...

    [続きを読む](2011.04.27)
  • いかにも隙のない絶対的な美人の前では、男は往々にして無力になるものだ。口説きの対象というよりは憧れ、崇拝の対象。映画で観るグレタ・ガルボは、まさにそんなイメージの女だった。マスコミを徹底的に遠ざけ、私生活を明かさなかったことも、彼女の神秘性を高めるのに一役買っていた。1905年9月18日、スウェーデン生まれ。本名グレタ・ロヴィーサ・グスタフソン。映画に初めて...

    [続きを読む](2011.04.20)
  • ジャン・ヴィゴが29年の短い生涯で撮った映画はわずか4作。全部の長さを合わせても160分に満たない。保存状態も良いとはいえず、フィルムにはキズがたくさんある。にもかかわらず、ヴィゴは今なお映画ファンの間で熱い談義の対象であり続けてきた。フランソワ・トリュフォーをはじめ、その作品から創作の啓示を受けた映画人も多い。一体ヴィゴの何がここまで人を夢中にさせるのか。

    [続きを読む](2011.04.16)
  • 声が聞こえないなんて、と不満を漏らす人もいるだろうが、顔の表情、体の動作、仕草、字幕、伴奏で全てを表現するサイレント映画は、意外なほど雄弁である。声を媒介としない分、登場人物の心情がそのまま画面から迫り伝わってくる。そして絵画でも見ているかのように想像力が刺激される。1920年代を〈映画の黄金時代〉と呼ぶ人がいるのも、いまだに先鋭的な作品でサイレント的手法が...

    [続きを読む](2011.04.10)
  • ジャン・コクトーはレオナルド・ダ・ヴィンチの系譜に属する最後の万能人である。詩、小説、戯曲、評論、絵画、陶芸、彫刻、舞台演出、映画監督、バレエ制作など、多方面で大きな功績を残した。人呼んで〈20の顔を持つ男〉。そんな彼にあえてひとつだけ肩書きを与えるとすれば、やはり詩人ということになるだろう。その溢れかえる才能から生まれたオブジェは、いってみれば全て〈詩〉が...

    [続きを読む](2011.04.06)

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